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長期政権への「第2章」 悩める首相 3日に内閣改造・自民党役員人事

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長期政権への「第2章」 悩める首相 3日に内閣改造・自民党役員人事

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世界遺産の東寺を訪れ、境内を散策するインドのナレンドラ・モディ首相(手前左)と安倍晋三(しんぞう)首相=2014年8月31日、京都市南区(恵守乾撮影)  安倍晋三首相(59)=自民党総裁=は、9月3日の内閣改造と党役員人事をめぐり、経済再生を最優先に安全保障法制の整備と地方創生を重視して人事構想を練ってきた。2012年12月の第2次政権発足後、今回が初めての大規模な人事。長期政権を見据え、党内の「ポスト待機組」にも目配りせざるを得ず、ギリギリまで人選に頭を悩ませそうだ。

 地方活性化に安保法制…

 首相は8月26日の自民党役員会で、今回の改造の狙いについて「安全保障や地域創生など日本を取り戻す戦いの第2章が始まるので、人心を一新したい」と強調した。

 政権の経済政策「アベノミクス」は道半ば。株価の回復など一定の成果があったとはいえ、「第三の矢」の成長戦略は結果が出るまで時間がかかる。特に地方の活性化なくしてアベノミクスの成功はないとされ、来年春の統一地方選の結果を左右しかねない。首相は地方の景気回復や人口減少対策などを担う地方創生相を新設し、石破茂幹事長の起用を検討している。

 もう一つのポイントが集団的自衛権の行使容認を含む安保法制の再構築だ。首相は安保法制担当相に元防衛副大臣の江渡聡徳(えと・あきのり)衆院安全保障委員長(58)の起用で調整しているが、国民の理解が不可欠なだけに、丁寧で分かりやすく説明できるかが問われる。

 こだわる女性積極登用

 さらに首相がこだわるのが女性の積極登用だ。「女性の輝く社会の実現」は看板政策の一つ。閣僚と党三役を合わせて現在4人となっている女性の人数を少しでも増やしたいところだ。

 そうした条件を踏まえながらの人事。すでに麻生太郎副総理兼財務相(73)と菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)、甘利明(あまり・あきら)経済再生担当相(65)ら主要閣僚の留任が固まっている。

 今回の人事の裏の狙いは「来年の党総裁選で安倍氏が勝つ態勢をつくること」(首相側近)でもある。それだけに、ポストが埋まりつつある中で、一定数の待機組を起用するなど、党内の不満を最小限に抑えられるかも重要になる。

 ≪西川氏を農水相起用へ 拉致担当相は山谷氏有力≫

 安倍晋三首相が9月3日に行う内閣改造と自民党役員人事で、西川公也(こうや)党環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)対策委員長(71)を農林水産相、山谷(やまたに)えり子参院政審会長(63)は拉致問題担当相で入閣させる案が有力となったことが8月31日、分かった。また、参院自民党の脇雅史(わき・まさし)参院幹事長(69)の交代が確実となった。

 西川氏は自民党のTPP交渉の責任者で、反対や慎重論が根強い党内の意見集約に尽力。TPP交渉で閣僚や首席交渉官の会合が開かれるたびに海外の開催地に行き、党側から甘利明TPP担当相を支えてきた。

 山谷氏は第1次安倍政権で教育再生担当の首相補佐官を務め、首相と近い関係にある。自民党の北朝鮮拉致問題対策本部長を務め、党側で拉致被害者家族の支援にあたった。

 首相は当初、古屋圭司拉致問題担当相(61)の続投を検討したが、女性閣僚の積極登用の方針もあり山谷氏起用に傾いた。

 首相は(8月)31日、東京都内のホテルで菅義偉(すが・よしひで)官房長官、3人の官房副長官らと(9月)3日の段取りを協議。新閣僚への指示内容などを詰めた。

 一方、溝手顕正(みぞて・けんせい)参院議員会長(71)は脇氏を交代させる方針を固めた。溝手氏は、脇氏が与野党の選挙制度協議会の座長として示した、隣接する選挙区同士を統合する「合区案」に反発。脇氏との関係が悪化していた。

 溝手氏は(8月)28日の首相との面会で、参院から3人を入閣させたい意向を伝えた。脇氏は入閣候補の一人だが、幹事長続投を求め、入閣を固辞している。参院自民党は(9月)3日の党役員人事を受け、参院執行部の人事を行う方針。脇氏の後任には伊達忠一(だて・ちゅういち)参院国対委員長(75)らの名前が挙がっている。

 また、自民党内では役員人事に伴い、党四役のうち選対委員長を廃止し、選挙対策を幹事長に一元化して「三役」体制に戻す案が検討されている。

 ≪連日のおもてなし≫

 安倍晋三首相は8月31日、来日中のインドのナレンドラ・モディ首相(63)と京都市の東寺を見学した。首相は世界遺産の東寺の講堂前でモディ氏を出迎え、境内を散策しながら国宝の五重塔などを視察。首相は前夜、モディ氏を京都迎賓館に招いて夕食会を催すなど、連日の「おもてなし」で関係構築を進めた。

 東寺は真言宗の開祖・弘法大師空海ゆかりの寺院で、密教を介してインドとの関係も深く、文化や歴史を通じての首脳間の交流を深める狙いがある。

 安倍首相とモディ氏は9月1日、東京で日印首脳会談を行う。(SANKEI EXPRESS

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