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来月 内閣改造 女性の積極登用に「ガラスの天井」

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来月 内閣改造 女性の積極登用に「ガラスの天井」

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まずは私たちから-。女性の活躍推進に向け、それぞれ課題に取り組む自民党の森雅子少子化担当相=2014年5月20日、東京都千代田区永田町(寺河内美奈撮影)  安倍晋三首相(59)は9月の内閣改造で、新成長戦略の柱に据えた「女性の活躍推進」を自ら形で示すため、女性を積極的に起用する意向を示している。同様に、自民党の女性議員も奔走、「登用すべき人材に乏しい」などのやっかみを見返そうと目に見えない現実の壁と奮闘する。

 男性の指導力に期待

 約3カ月前の5月14日朝。森雅子少子化担当相(49)は、消費者庁の大臣室に経済同友会代表幹事の長谷川閑史(やすちか)・武田薬品工業社長(68)=後に会長=や伊藤秀二カルビー社長(57)ら大手企業の男性経営者6人を集め、女性の活躍推進に向けた「行動宣言」の策定を依頼した。

 「日本社会全体を変えていくには、女性のパートナーである男性、特に皆さまのような社会に影響のある男性のリーダーシップに期待したい」

 政府は、2020年までに社会の指導的地位に占める女性の割合を3割超にする目標を掲げている。これに対し内閣府などの調査では、日本の女性管理職の比率は他国より極めて低い。

 「女性の活躍推進は女性だけの問題ではなく男性の問題でもある」というのが森氏の持論だ。男性で発信力のある長谷川氏らが「行動宣言」を示せば賛同の輪が広がるはずだと考えた。

 その後、他の男性経営者からも参加も申し出があり、3人がメンバーに加わった。

 6月27日に公表された行動宣言には、「男性中堅リーダーの意識改革」「男女の働き方の変革」「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーのネットワーク」など、男性の当事者意識がうかがえる文言がちりばめられた。

 厳しい子育てとの両立

 霞が関には「国会対応」という大きな壁がある。これまでは、翌日の国会審議を前にした国会議員の事前の質問通告は、夜遅いのが当たり前。答弁作成を担当する官僚は女性といえども徹夜を強いられ、子育てとの両立はかなり厳しいとの悲鳴が上がっていた。

 女性官僚の負担軽減に一役買ったのは、小渕(おぶち)優子元少子化担当相(40)だ。

 「分かりました。それは絶対に改善していかなければだめですね」

 4月下旬、育児中の女性官僚らから相談を受けると早速、自民党の佐藤勉(つとむ)国対委員長(62)に相談。国会質疑の前々日の午後6時までに質問通告を政府に提出するよう掛け合い、最終的に主要野党の協力を得た。

 相談した女性官僚の一人は「あっという間だった」と小渕氏の対応の早さに驚く。小渕氏が2人の子供を育てる母親であるから素早く動いたともいえる。

 元財務省キャリアの片山さつき参院議員(55)は今年3月、霞が関のみならず民間の将来の女性リーダーを養成しようと「女性活躍推進委員会」を立ち上げた。

 「生え抜きのサラリーウーマンが(目に見えない)『ガラスの天井』にぶつからないようにしなければ、この問題は大きく前に進まない。生え抜きの女性が続けて取締役になれるようにしなければならない」

 「無理は禁物」

 女性閣僚の積極起用について、自民党の脇雅史(わき・まさし)参院幹事長(69)は8月19日の記者会見で「女性だからだという条件は考慮してかまわないが、適材適所が一番だ」と強調した。また「大きな方向性として女性を活用していくのは誰しも反対しない大事なことだと思う」としながらも、「無理は禁物だ」と指摘した。

 「採用の段階から女性を増やす工夫をする。女性は子供を産んで育てるという、男性とは違う役割もある。そんな時期も乗り越えて生涯、仕事を持てるようしっかりと整えていくことが大事だ。女性登用を急に求める短期的な見方はあまりよくないだろう」

 小渕氏は首相周辺から入閣待望論が出る中、周囲に「まずは育児を優先させたい」と述べ、入閣に慎重な姿勢だという。

 自民党内には「女性で閣僚に値する能力を持つ人材は少ない」(幹部)との声や、女性がポスト欲しさのため単なるパフォーマンスに走りかねないとの警戒がある。これに対し、森氏は反論する。

 「男性だって女性と同じ比率でトラブルを抱える人材が紛れているはず。性差を色眼鏡で見る永田町の悪弊こそ改革すべきです」

 首相は女性を「日本が生かし切れていない潜在力」という。同時に、男性とのバランスとの兼ね合いが課題になりそうだ。(豊田真由美/SANKEI EXPRESS

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