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政治
クラブ、スポーツバー 未明営業へ 政府・自民 秋にも法改正検討
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スポーツバーでスポーツ観戦を楽しむ若者たち=2014年3月23日、埼玉県さいたま市浦和区の「ティナラウンジ」(佐藤祐介撮影) 政府と自民党は、音楽とダンスを若者が楽しむクラブや、国際試合の観戦イベントなどを開催するスポーツバーについて、現行風営法で禁じられる午前0時以降の営業を原則認める法改正の検討に入った。文化振興を目的とした規制緩和の一環。泥酔者や客引きの対策を義務化し、都道府県公安委員会による許可制で解禁する。早ければ秋の臨時国会で改正を目指す。自民党関係者が8月12日、明らかにした。
ダンス関連施設に関し、音楽家や文化人らが「健全なダンス文化の育成に支障を来す」と未明の営業規制に反発。政府の規制改革会議も5月に営業時間延長の検討を求める提言を示していた。
政府内の協議で「ダンス関連だけが緩和対象となれば公平性を欠く」との指摘があり、自民党との調整で、スポーツバーなど飲食を伴う遊興店全般に対象を広げる法改正の骨格案をまとめた。
ただ一部に危険ドラッグの利用を助長しかねないなどの指摘があるため、警察庁の有識者会議の議論を踏まえ、政府が最終的な改正案をつくる方向だ。
骨格案は、未明に遊興設備と酒などを提供する店を「深夜遊興飲食店営業」と定義し、午前6時までの営業を許可制で認める。地域環境が悪化しないよう、泥酔者に対する酒類提供の自粛や店周辺の客引き規制も盛り込んだ。酒類を提供しないダンス教室などは規制対象から外す。
騒音抑制の観点から、周辺が住宅地になっているなど立地に合わせ、条例で営業制限ができるとの内容も明記した。
関係者によると、スポーツバーやダーツバーは、競技会などのイベントを開催しなければ、現状でも未明の営業が事実上許されている。法改正されれば、ジャズバーでのバンドの生演奏やライブハウスの営業も未明に可能になる。
音楽やダンスを楽しむ利用者らの間では歓迎の声が広がりそうだが、具体的な法案の中身を注視したいとする関係者もいる。
「規制は時代遅れでそぐわない」。クラブをめぐる議論の発火点は、警察が風営法の無許可営業で摘発を加速させる中、音楽家の坂本龍一さん(62)らが呼び掛け人となって始まった署名運動だ。
「ただ音楽が好きなのにおかしい」。短文投稿サイトのツイッターやフェイスブックで若者らに支持が広がり、署名はわずか1年間で約15万人分に。法改正を求める超党派の議員連盟が発足したのも、規制緩和を求める世論の広がりを受けてのことだった。
現在はクラブの営業には許可が必要で、原則午前0時までに制限されている。「ずっと心置きなく朝まで踊りたかった」。音楽が好きで週末に通う30代の女性客は、営業時間の緩和を喜ぶ。
一方で、今回明らかになった骨格案は、ダンス営業を風営法の規制対象の枠内にとどめたままになっている。
風営法違反(無許可営業)の罪で起訴され、今年4月に大阪地裁で無罪判決を受けた元クラブ経営者の金光正年さん(51)は「風営法という曖昧な法律で縛られること自体に違和感がある」と話す。
大阪地検が控訴し、裁判は高裁に移っている。やましいことは何もなかったのに「犯罪者」にされたとの思いは強く、「規制から外さなければ、これからも同じことが起こり続けるのではないか」と警戒感を隠さない。(SANKEI EXPRESS)
・音楽とダンスを若者が楽しむクラブやスポーツバーなど、飲食と遊興を提供する店全般の午前0時から同6時までの営業を解禁
・泥酔者や客引きの対策を義務化
・酒類を提供しないダンス教室などは風営法の規制対象から除外
・立地条件に合わせ条例で営業制限が可能
・ジャズバーの生演奏、ライブハウスの営業が未明でも可能