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「どのような問題あるのか」JA全中・万歳会長、政府の農協改革で対決姿勢 自民改革派も巻き返し
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自民党の農協改革を議論するプロジェクトチーム会合に出席したJA全中の万歳章会長=22日午前、東京・永田町の党本部 自民党は22日、農協改革の法案検討プロジェクトチーム(PT)会合を党本部で開き、議論の渦中にある全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章会長からヒアリングを行った。党内に広がる反対論を背に万歳氏は「中央会制度にどのような問題があるのか」と政府の改革案に真っ向から反発。これに対し、これまでは影が薄かった党内の改革派は積極的に発言し、巻き返しを図った。その攻防は一進一退といえる。
「中央会制度の問題を具体的な事実と数字で示すのが(議論の)大前提だ」
万歳氏は会合の冒頭、100人を超える自民党議員を前に、改革の必要性について具体的な根拠を示すよう求めた。
全中の指導権・監査権を廃止し、地域農協の自立性を確保することで農家の所得を増やすことが政府改革案の眼目だが、万歳氏は「中央会の監査は、農協を支える観点からぜひとも必要だ」と強調した。自民党内にも「監査権をなくせば本当に農家の所得が増えるのか」と懐疑的な見方は少なくない。
あるベテラン議員は、政府の規制改革会議が昨年6月にまとめた答申に沿って改革論議が進んでいることに、「規制改革会議が『神様』ならば国会議員はいらない」と不快感を示し、性急な議論を牽(けん)制(せい)した。
ただ、この日は反対論一色だった20日の会合とは異なり、改革派も黙ってはいなかった。
首都圏選出の中堅議員は「監査に外部の目を入れることで地域農協の自由度が高まる」と外部監査を導入するよう要求。同じく首都圏選出の若手議員は「全中と地域農協の信頼関係があれば、全中をあえて農協法で規定する必要があるのか」と全中の法律上の位置付けを見直すよう求めた。
稲田朋美政調会長も22日、都内での講演で「各農協は独立した監査を受けるべきで、全中の監査はやめたほうがいい」と政府の改革案に賛意を示した。同時に「農業を守ることが日本を守ることだという考えで政治活動を始めた。自分では農林族という意識だ」と語り、改革に後ろ向きな農林族を当てこすった。
一方、公明党内も改革に慎重な意見が多い。農協改革を検討する21日の会議では「改革で何がよくなるのか分からない」など改革を疑問視する声が相次いだ。自民党執行部は党内の改革反対派や全中だけでなく、公明党との落とし所も探りながらの調整が続くことになる。(力武崇樹)