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TPP、日米合意機運高まる 月内にも閣僚協議「間合い詰まってきた」

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

TPP、日米合意機運高まる 月内にも閣僚協議「間合い詰まってきた」

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 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉をめぐり、日米が2国間協議で合意する機運が高まってきた。両国は2日から、米ワシントンで日本の重要農産品の関税に関する事務レベル協議に入り、月内にも閣僚協議を開く方向で調整する。焦点の豚肉では日本が高価格品にかける4.3%の関税を撤廃し、コメでは無関税か低関税の輸入枠で米国産主食用米の輸入を増やす案を軸に検討する。

 「日米双方の間合いは詰まってきた。ともに早期決着に向け動いている」。日本の交渉筋は日米協議の現状についてこう明かす。

 今回の農産品に関する事務レベル協議は2日間の日程で時間が限られることから、日米は再度、詰めの協議を行った上で、閣僚協議を開催し、政治決着にこぎ着けたい考え。日本の交渉関係者の間では、米議会で通商交渉に関する権限を政府に一任する大統領貿易促進権限(TPA)法案が提出された後に閣僚協議を開く案も浮上してる。法案の内容を確認してからの方が協議を進めやすいためだ。

 日米間では、農産品と工業製品の関税をパッケージ(ひとまとめ)にして、複数の選択肢を検討している。日本の豚肉の関税では、輸入価格が1キロ524円を超える高価格品に課す4.3%の関税を撤廃するほか、1キロ約65円未満の低価格品にかける1キロ482円の関税を50円程度まで段階的に下げる案が有力だ。

 牛肉では、米国産牛肉にかける関税を現在の38.5%から9~11%程度まで段階的に引き下げる方向で調整している。牛・豚肉ともに輸入量が近年の輸入実績を一定程度上回る場合は関税を引き上げる緊急輸入制限(セーフガード)を導入する方向だ。

 コメでは、日本政府が関税なしで輸入するミニマムアクセス(最低輸入量)の枠内で米国産主食用米を優先的に買い取る形で輸入量を増やしたり、枠外に無関税か低関税まで下げる輸入枠を設けたり、これらを組み合わせたりする案が俎上(そじょう)にのぼっている。

 いずれも米国だけに限定するか、ベトナムなど他のコメ輸出国にも認めるかが課題となる。コメは日本にとって象徴的な農産品だけに、政府は慎重に調整する構えだ。

 工業製品では、米国が日本車にかける関税(乗用車2.5%、トラック25%)の撤廃について、米国が韓国との自由貿易協定(FTA)で定めた最長10年を「実質的に上回る」ことが、すでに日本の交渉参加をめぐる一昨年4月の日米合意で確認されている。これまでの協議では、米国が日本の農産品の関税と合わせて最長20年の猶予期間を設けて自動車関税を撤廃する案を提示した経緯もある。

 日米協議が決着すれば、交渉全体の合意機運も高まる。日米などは3月中旬にも12カ国の閣僚会合を開き合意するシナリオも描く。ただ、米ニューヨークで1日閉幕した首席交渉官会合は知的財産などの難航分野で意見の隔たりが埋まらなかった。交渉に終止符を打つにはなお厳しい調整が残されている。

 ■TPPをめぐる日米協議の現状

 ≪日本の重要農産品5分野≫

  ◆コメ(有力な検討案)

  ・無税

  ・低関税の輸入枠で米国産主食用米の輸入を拡大

  ◆牛・豚肉(有力な検討案)

  ・米国産の牛肉関税を38.5%から段階的に9~11%に引き下げ

  ・米国産豚肉の高価格品にかける4.3%の関税は撤廃し、低価格に課す1キロ482円の関税は段階的に50円程度に引き下げ

  ◆甘味資源作物(有力な検討案)

  ・関税維持の方向

  ◆麦(有力な検討案)

  ・無税輸入枠の拡大

  ◆乳製品(有力な検討案)

  ・一部製品に無税・低関税の輸入枠

 ≪米国の自動車関税≫

  ・10~20年かけて撤廃

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