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原発再稼働の遅れが電力・ガス改革に影 完了時期の後ずれ、経産省が自民に提示
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関西電力高浜原発の(手前から)3号機、4号機=福井県高浜町 原発再稼働の遅れが、電力・ガス市場の自由化スケジュールに微妙な影を落としている。経済産業省が17日、自民党に示した新たな改革日程は、電力改革の完了期限を平成32年、ガスは34年とし、当初の予定より後ずれした。原発の位置づけが定まらない中で自由競争が進めば、事業者が巨額な原発投資を尻込みし、電力の安定供給に支障をきたすとの懸念がぬぐえないためだ。
3段階で進める電力改革は、すでに電力需給を調整する電力広域的運営推進機関(第1段)を今年4月に設置するほか、小売り完全自由化(第2段)の28年実施を法律で決めた。
17日の自民党の会合で、経産省は、第3段の発電部門と送配電部門の法的分離(別会社化)を32年に実施する方針を示した。当初30~32年を想定した時期でもっとも遅い期限になった。電力と平行して進めるガス改革は、導管部門の法的分離を34年とした。経産省内では31~33年の実施時期が想定されていたが、業界の反発などから遅らせた。
政府は岩盤規制の打破を掲げ、32年(2020年)の「東京五輪」(安倍晋三首相)までの改革を目指したが、市場の競争条件を公平にする「改革の完成形」となる法的分離は遅れる公算だ。
背景には、政府が原発の将来像を描ききれない実情もある。再稼働が遅れに遅れ、原発を含めた42年の電源構成比を決める議論は始まったばかり。自由な競争市場で事業者が、長期の投資回収を要する原発の維持・更新コストをまかないきれなくなる恐れもある。
「原発をどうするか決める前に、改革議論はできない」(自民党有力議員)との声もあがる中、経産省が示した電気事業法改正案には、法的分離の延期も視野に、改革状況を検証するとの規定が盛り込まれた。
政府は「電力・ガス取引監視等委員会」の設置なども盛り込んだ関連法案の2月中の閣議決定を目指し、協議を加速させる方針だ。