日本再浮上いまだ成らず 米中の借金主導型経済に頼るな
更新中国の経済モデルは、借金投資型である。中国人民銀行が流入する外貨をもとに人民元資金を発行して国有商業銀行に流し込み、党官僚が支配する国有企業や地方政府が不動産開発に邁進(まいしん)した。中国はリーマン後、1、2年で2ケタ成長に回帰したが、12年あたりから乱開発と不動産バブルのためにほころび始めた。過剰生産、過剰投資のために景気は停滞し、本国に見切りをつけた党官僚を含む中国投資家は国外に資産を逃避させている。資金不足を補うために、中国の金融機関や企業は国際金融市場から借金せざるをえない。昨年1年間でみると、中国は米国をしのぐ世界最大の借金国である。(本欄4月12日付参照)
さりとて、中国には借金投資以外に経済を成長させるモデルは見当たらない。「多国間銀行」という看板を挙げて世界からカネを集めて、インフラ投資を行うというのが、AIIBである。もちろんインフラ投資の7割以上は中国国内向けである。
日本は経済面で米国に過度に期待するわけにいかない。だからといって、北京に傾斜してもカネをむしり取られるのが関の山である。
