円高の主因は日本のデフレ圧力 日銀は毅然としてマイナス金利進めよ
更新米国のほうは、景気回復の足取りは鈍く、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げに慎重で、実質金利は当面、上昇しそうにない。
日本では、消費税増税後に落ち込んだ家計消費が底ばい状態である。内需低迷に円高が重なり、デフレ圧力は高まっている。日本の実質金利は高くなり、米国との実質金利はさらに縮小する気配である。仮に、英国がEU残留となり、市場で円が売られても、一過性の「巻き戻し」に終わっただろう。
日銀が円高傾向に歯止めをかけるためには、量と金利の両面で追加緩和に踏み切る必要がある。「量」の追加緩和は、国債の購入額を現在の年間80兆円から100兆円に引き上げる案が有力だが、逆に円高要因になりうるので、威力に疑問符がつく。日本国債が品薄になると相場はさらに上昇すると見込まれ、海外からの投機買いを招き寄せる。その結果も円高だ。
世界では市場リスクが渦巻いている。中でも、チャイナリスクは膨張の一途である。
