ジョブカンの今後の展開は?
「まず、海外でも使えるツールにしていきたい。実際に支社がある韓国やタイでもジョブカンは販売していて、韓国では売れている。海外でも通用するプロダクトだということはわかっているので、海外展開は視野に入れている。それから、たぶん今後、SaaSもモバイルに移っていくと思うので、作業がモバイルで極力完結できるようなレベルのプロダクトにしていきたい。あとは、AI(人工知能)での分析も力を入れていきたい。たとえば、どんな人が採用されて、その後、どういう働き方をして、どう評価されているのかというようなことを適切に分析するサービスを企業に提供するといったことが考えられる。DXを検討する企業の中には、選択肢としてアウトソーシングを推進してスリム化していくところも増えていくと思っているので、アウトソーシング事業にも力を入れていきたい」
SaaSの普及は日本経済にとってどんな意味があるのか
「SaaSが広がることで、どこでも働けるような多様な働き方が実現できる。それと、人が感覚で管理していたものがしっかりと適切に行えるようにもなるだろう。定性的なものが定量化できるようになることで、無駄な過ちがなくなってくる。ほかに、例えば、労務管理の領域は専門性が必要だが、それを担える人がいない場合、SaaSを使えば、だれでも一定水準以上の業務をこなせる。つまり、人間がそんなに注力しなくていい領域を標準化して、より少ない人件費でカバーできる。使い手が多くなればなるほどデータがたまって、業務をさらに洗練させていくことも可能だ」
普及に向けた課題は?
「SaaSが盛り上がっているのはまだ首都圏と、地方の中でも一部にとどまる。地方での利用をどう広げていくかが課題だ。SaaSは難しいと思われている傾向があるが、使いやすくてリーズナブルで、効率的という成功体験を顧客に与えて抵抗感をなくしていく必要がある。まずは勤怠管理のSaaSを普及していくことがいい入り口になると思う。どんなにITリテラシーのない企業でも残業の見える化など管理をしっかりすることが国の法律でも求められている。勤怠管理でSaaSに慣れてもらい、ほかのSaaSのツールも使ってみようということになるよう、尽力していきたい」
人口減の日本経済にとって生産性の向上は喫緊の課題。SaaSはその切り札となり得ます。【SaaS~変革のプレイヤー群像】では、勃興期にあるSaaS業界のスタートアップ企業を追い、日本経済の変革の可能性を探ります。アーカイブはこちら