働き方ラボ

社会人がOB訪問に協力すべき理由 就活生と触れ、己のキャリアを考える

常見陽平
常見陽平

 学生同士のハラスメントは別にセクハラだけではない。グループディスカッションなどでの、学歴ハラスメントというものもある。大学名を聞いた段階で、偏差値や知名度の低い大学の学生を見下したり、無視したりする者がいる。よく学歴フィルターと呼ばれる、学校名などで説明会への参加やエントリーシートの通過などにおいて差別する企業があるが、学歴差別を行うのは別に企業側だけではなく、学生が行うこともあるということを認識しておきたい。その方がより残酷だとは言えないか。

 学生から社会人へのハラスメントも

 さらには、学生から社会人へのハラスメントというものもある。業界・企業・職種を見下した発言をする、人事担当者への過度なアプローチなどである。他ならぬ、私が被害者である。大手玩具メーカーで人事をしていた頃は「玩具を仕事にするのは社会人としてどうなのか」「せっかく玩具メーカーに入ったのに、人事なんてやっていて楽しいのですか?」などの暴言をよく受けたものだった。

 話がやや拡散したが、売り手市場と言われているとはいえ、学生は将来に不安を抱えた存在である。求職者と企業の関係は対等であるべきだ。とはいえ企業は雇用する側である。そうであるがゆえに、学生は自分のことを弱い立場だと捉えがちである。大林組社員の被害にあった女子学生は本当に気の毒だった。就活で学生が傷つくような悲劇をこれ以上、繰り返してはならない。

 とはいえ、OB・OG訪問は有益なのだ

 ただ、この問題をめぐる報道や意見については、やや首を傾げる部分もある。論理が激しく飛躍し、就活やOB・OG訪問、マッチングアプリの「全否定」とも捉えられるような意見が散見される。これもまた乱暴な意見ではないか。くれぐれも言うが、大林組事件のような悲劇は二度と起こってはならない。ただ、だからと言ってこれらのものを否定するのもまた暴論だ。

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