社会人がOB訪問に協力すべき理由 就活生と触れ、己のキャリアを考える
このように、今回の事件は残念だったが、OB・OG訪問の意義は否定してはいけないのだ。学生も企業もメリットを感じるものなのだ。
OB・OG訪問を自分の仕事を見直すキッカケに
このコラムを読んでいるビジネスパーソンに呼びかけたい。ぜひ、依頼があったらOB・OG訪問に協力してほしい。忙しい中、時間をつくるのは大変だろう。やってきた学生の失礼な質問にがっかりするかもしれない。それでも、OB・OG訪問には協力してほしい。それは、個人にとってもメリットがあるからだ。
人事部時代、社員にOB・OG訪問の対応を依頼したこともある。忙しい社員に依頼するのは、申し訳ない気持ちもあった。実際、嫌な顔をされたこともある。ただ、終了後に多くの社員から感謝されたことを覚えている。「自分のこれまでの歩みを振り返るキッカケになった」「自社や、担当商品がどう見られているかがよくわかった」「自分の経歴を棚卸しするキッカケになった」「今どきの若者の気持ちがわかった」「母校の今がわかって、嬉しかった」など感謝の声が多数だった。
OB・OG訪問の対応は、真剣勝負だとも言える。いつの間にか、他社の社員と比較されているからだ。尊敬される社会人になれているかどうかを見直す機会だとも言えるだろう。自分もまた面接されているのだ。
若者の声から自分や自社を振り返ってほしい。学生の相談にのる場でありつつ、自分のキャリアを考える場にもなり得るのだ。
前田敦子風に言うと「大林組社員を嫌いになっても、OB・OG訪問を嫌いにならないでください」と言いたい。これはこれで有意義なのだ。そうであるがゆえに、今回の事件はOB・OG訪問の停滞につながりそうで残念なのだ。
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【働き方ラボ】は働き方評論家の常見陽平さんが「仕事・キャリア」をテーマに、上昇志向のビジネスパーソンが今の時代を生き抜くために必要な知識やテクニックを紹介する連載コラムです。更新は原則隔週木曜日。アーカイブはこちらから