よくグローバリゼーションで国境を超えて人々の関心が一致している、と言われる。インターネットの普及による情報の共有化や社会問題の共通化などで、「どこの国の人とも、同じ言語で語りあえる」との声をよく聞く。
キャッチフレーズが同じである。したがって、あまりコミュニケーションをとらなくても、どこの国の人とも何となくある程度のことは議論し合えると思っている節がある。
残念ながら、ことはそう簡単ではない。先進国と先進国ではない人たちの間にある溝がある。独自の文化遺産のレベルという話ではない。それはどの国にあっても個々に称賛すべきものだ。
あることを考え、次にあることを考え、そうした積み重ねで今、ここにあるキャッチフレーズに達しているという、それまでのプロセスが複雑で距離が長い。つまり多角的に考えた歴史がある。それが先進国の人の考え方で、これをぼくは「洗練さ」と称している。
先進国ではない国の人たちが不足している「多角的に考える」との経験について、日本の人たちはもっと冷静に判断し、自分たちに自信を持って良いと思う。
新興国の事情にあまり右往左往する必要はない。考えるべきことはただ1つ。世界の歴史に自分たちがどう貢献するか、だけである。
【ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。