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ミラノに学ぶデザイン文化 日常生活の自由な選択を培う

安西洋之
安西洋之

 それでは毎年4月に開催されるミラノデザインウィークをデザイン文化の一端と捉え、他国から来た人がイベント開催中にデザイン文化について学べることがあるだろうか?

 1週間で毎年50万人を超す人たちが市内の500を超す場所、即ちショールームや展覧会などでデザインをネタに議論の輪を広げる。そして、その光景をミラノの人たちが「この時期、ミラノの市民であることを誇りに思う」と語る。

 これはデザイン文化の全てではないが、重要な要素が散らばっている。もちろん、審美眼を刺激させてくれるものを浴びるほどに接する機会がある。それだけでなく、どういう組織や団体あるいは人がこの文化を育てる環境をつくり、毎年条件の微調整を重ねているかを知ることができる。

 世界150カ国以上の人が訪れる家具の見本市と、その会場の傍に35歳以下の世界中のデザイナーたちが自分たちの作品を見せる場をつくる企業。市内の地域ごとにイベントを統合させる企業や団体。これらのすべてを1つのブランドとして後押しする公的機関。それらを発信するメディア。役者は驚くほどに多い。

 この役者たちが、何をどう考え、何を教訓としているのか。誰かが企画書を携えて渡り歩いて1つにまとめるよりも、それぞれに話が日常的に通じるネットワークがあり、そこに関心を惹きやすい企画を持ち込めば「実施に向けて動きやすい」。

 その全体の構図と機能の仕方に、デザイン文化を学ぶヒントがある。

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