ビジネストラブル撃退道

「怖くて妻に言えない」コロナで収入激減…メルカリで稼ぐ夫たちの裏事情

中川淳一郎
中川淳一郎

 3人とも間違いなくビジネストラブルに見舞われている。そして3人とも妻に嘘をつき、その場を取り繕おうとしている。となれば、妻からすれば楽観的にならざるを得ない。すでに本当のことを言っていたのであれば、余計な言い争いはしなくて済んだだろう。それなのに騙していたものだから、いずれ嘘が露呈した場合には「私だってパートの時間を増やしたのに!」「私の実家からお金を借りたのに!」「あの時、あんなもの買わなかったのに!」などと言われる可能性が出てきてしまうのだ。

 家庭でも大事な「報連相」

 「報連相」という新入社員が習うビジネスの基本があるが、それは家庭に対しても同じである。私はかねてより「人が仕事をする理由は『怒られたくないから』である」という説を唱えてきた。

 それを悟ったのは会社員時代、私のクライアント企業だった某外資系企業の日本人担当者が深夜2時に突然書類を作って欲しい、と無茶ぶりをしてきた。私は別の仕事もあったので無理だと断ったのだが、彼女は電話口で悲鳴をあげながらこう言った。

「頼みます! もしもこの書類を出さなかったら○○(アメリカ人上司)が怒るんです!」

 この瞬間、私は「人が仕事をする理由は『怒られたくないから』である」という真理に気付いたのだ。

 今回の3人は妻から怒られたくないがために、怒られる日が来るのを先延ばしにしている。こんな精神状態ではいい仕事ができるわけがない。本来家庭というものは穏やかな時を過ごす場所であるはずなのに、あたかも職場が2つあるような状態になってしまうのは鬱病など、精神の病を発症させてしまう恐れがある。確かに給料・ボーナスの減額や解雇は家族から怒られるかもしれないが、正直に真実は言った方がいい。これでビジネストラブルが回避できるのだ。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう) ネットニュース編集者
PRプランナー
1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライター、「TVブロス」編集者などを経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『謝罪大国ニッポン』『バカざんまい』など多数。

【ビジネストラブル撃退道】は中川淳一郎さんが、職場の人間関係や取引先、出張時などあらゆるビジネスシーンで想定される様々なトラブルの正しい解決法を、ときにユーモアを交えながら伝授するコラムです。更新は原則第4水曜日。アーカイブはこちら

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