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「新語・流行語大賞」をどう見るか? 時代の変化を読み解く

常見陽平
常見陽平

 ノミネート30語、受賞理由は要チェック

 いまやSNS上でのRTや「いいね」の数を測定できる時代だが、このようなネットでの影響度などではなく、あくまで選考委員会で選んだものである。この集計方法には「時代遅れ」という声もあるかもしれない。ただ、単なるアクセス数では測れない兆しの読み取り、様々な分野を横断した上での今年、知っておくべき新語・流行語がそこにはある。

 なお、同賞を受賞しても賞金がもらえるわけではない。もちろん、ポジティブな文脈で受賞した場合、知名度はますます上がるし、名誉にはなり得るが。

 大賞、トップテンだけでなく、ノミネートされた30の候補語も追うべきだ。トップテン入りした語は、公式サイトで受賞理由のコメントもチェックすると面白い。これが時代背景なども読み解いた、秀逸なものなのだ。

 「誰が受賞するか」も見どころである。前述したとおり、ノミネートやトップテン入りした言葉は、必ずしも礼賛されているわけではない。受賞を辞退されることもあれば、受賞者が授賞式に顔を出さないことだってある。語り草になっているのが、80年代半ばに流行した「新人類」という言葉の受賞者だ。仕掛け人である当時の『朝日ジャーナル』編集長である筑紫哲也が受賞するのが妥当だと考えられていた。しかし、受賞者は当時の西武の若手三羽烏、清原和博、工藤公康、渡辺久信だった。わからなくはないが、やや違う気がする。

 なお、芸人が決め台詞などで受賞すると、その後、売れなくなるというジンクスが指摘される。たしかに「安心してください、はいてますよ」「ダメよ~ダメダメ」など、今言うとスベりそうな言葉は多々ある。もっとも、これは言葉というよりもその芸人の能力・資質や運によるところも大きいだろう。柔軟に変化することができなかったのだ。

 このような前提を理解すると、見え方が少し変わってより楽しめるはずだ。

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