■確定申告は怖くない!
山中:最後に、セルフブランディングとは関係ないんですが……そろそろ確定申告の時期で、戦々恐々としている僕のようなフリーランスもいます。そんな方々に、税理士の立場からメッセージをいただけますか?
大河内:本にも書いたんですけど、不安がることはないですよ。ほとんどのフリーランスが、100点満点の確定申告書を提出できてるわけじゃないですから。
山中:100点満点じゃなくていい! 勇気が出る言葉です。
大河内:とりあえずルールの中で自分で考えて確定申告書を作って、提出することができればオッケーです。そのルールをどこで確認するのかっていったら、手前味噌ですけど、やっぱり税理士や国税OBの人といった税金の専門家が言ってることを信じたほうがいいですね。
たとえば確定申告のハウツーが書いてあるアフィリエイターのブログみたいなものは、あまり信じないほうがいいんです。「これは経費にできました」とか書いてあっても、ただ確定申告を提出しただけかもしれない。経費にできるかどうかを判断するのは税務調査だけど、ブログの書き手のところに税務調査が来てるかどうかはわかんないですからね。
山中:ピンチだと藁にもすがりたくなりますけど、情報の取捨選択は必要ですね。
大河内:あとは税務調査が入ったとしても、基本的に嘘さえつかなければ大丈夫なんです。「それはさすがに経費になりませんよね」「ああそうでした、ごめんなさい」みたいなやりとりで終わるので。もちろん、悪意のない間違いの場合ですよ。税務調査も決して怖いものじゃないんです。
山中:てっきり、もっと厳しく叱られるのかと思っていました……。
大河内:芸能人が脱税して大変なことになっている、みたいなニュースを見て怖く感じてしまうかもしれませんが、ああいうケースはレア中のレアなので。あんまり過度に不安に思う必要はないですよ、と伝えたいですね。
山中:なんだかセルフブランディングも確定申告も、大丈夫な気がしてきました。「目立ちたいけど、目立ちたくない」というジレンマがなくなった訳ではないですが、そういった気持ちとも折り合いをつけつつ、フリーランスとしてセルフブランディングに取り組んでいくことができそうです。
大河内さん、今回は進路相談にのっていただきありがとうございました!
(執筆:山中康司 編集/撮影:Huuuu 提供元:Workship MAGAZINE『日本一発信する税理士に聞く、フリーランスのセルフブランディング論』)
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