今日から使えるロジカルシンキング

新幹線回数券の廃止で再認識すべき「脅威」 ソニーやユニクロが見せつける交渉力

苅野進
苅野進

好調ユニクロに欠かせないパートナー

 ユニクロの売れ筋といえば何を思いつきますか? おそらくほとんどの人が「ヒートテック」「エアリズム」「ウルトラライトダウン」を挙げるのではないでしょうか。

 実は、この3つの製品素材はすべて、東レが独自に開発しています。「独自」ということですから、納品業者としての力は相当なものだと言えるでしょう。しかし、詳細は公表していないものの東レの売り上げの伸びを見るに、相当な割合をユニクロへの納品が占めているはずです。もし、これに伴う設備投資が大きいとなると、「ユニクロが手を引いたら厳しい」というようにユニクロ(買い手)の交渉力が強いとも言えます。何れにしても、納品業者とのやり取りもユニクロという企業においてはかなり重要なファクターだと言えるでしょう。

交渉カードになるほどの高度な技術

 2021年も好調を維持しているソニーも、スマホ本体では成功できませんでしたが、そこに納品するカメラ画像処理用半導体「CMOSイメージセンサー」を主力とするイメージング&センシング・ソリューション分野で大きな存在感を出しています。

 汎用品、つまり「安価な代替品がいくらでもあるような状況」にならないような技術革新を続け、交渉力を維持していると言えるでしょう。このような力をもっているからこそ、「ファーウェイへの輸出禁止」がファーウェイとの交渉におけるカードとして使われたりしているのだと言えます。

足元をすくう納品リスク

 5Fにおける「納品業者」は価格交渉だけではありません。安定した納品契約や、急な出荷停止などのリスクに備えた対策なども重要です。突然、より条件の良い企業が現れて独占契約を結ばれてしまうという事例も少なくないのです。皆さんも是非「足元」をすくわれないよう、しっかりと状況分析してみてくださいね。

苅野進(かりの・しん)
苅野進(かりの・しん) 子供向けロジカルシンキング指導の専門家
学習塾ロジム代表
経営コンサルタントを経て、小学生から高校生向けに論理的思考力を養成する学習塾ロジムを2004年に設立。探求型のオリジナルワークショップによって「上手に試行錯誤をする」「適切なコミュニケーションで周りを巻き込む」ことで問題を解決できる人材を育成し、指導者養成にも取り組んでいる。著書に「10歳でもわかる問題解決の授業」「考える力とは問題をシンプルにすることである」など。東京大学文学部卒。

【今日から使えるロジカルシンキング】は子供向けにロジカルシンキングのスキルを身につける講座やワークショップを開講する学習塾「ロジム」の塾長・苅野進さんがビジネスパーソンのみなさんにロジカルシンキングの基本を伝える連載です。アーカイブはこちら

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