“自分の言葉”で語れるリーダーになるには
周囲の意見を聞き、理解し、その上で判断し、それを堂々と自分の言葉で語るリーダーには説得力があります。「自分の言葉で語る」も非常に重要なポイントなのです。
橋下さんは本書の中で、ご自身の周囲の良い事例・悪い事例を紹介しながら、自分の言葉で語れるリーダーはなぜペーパーやプロンプターを棒読みせずに自分の言葉で語れるのかについて、さまざまな立場の意見を、手続的正義に基づく適切なプロセスの中でしっかりと聞いているからだと述べています。
なので、自分の考えへの賛成派、反対派の議論、それぞれの主張を十分に知っており、それに対する自分なりの回答を持っている。だから何を聞かれても、ペーパーに頼る必要なく、堂々と自分の言葉で答えることができ、説得力があるのです。
皆さんもそうですよね。様々な情報・意見を吸収し、自分がしっかり考えつくしたことについては、明快に話すことができ、上司も部下もあなたの話に納得するはずです。
リーダーにはトラブルはつきもの。自分自身が発端となることだけでなく、管轄している組織において思いもよらない事態が発生する可能性があるのは政界・行政も、私たち民間企業も一緒です。
橋下さんは、危機管理の対応7原則として次のプロセスを紹介しています。
1)事実関係がわかるまでは断言しない
2)都合の悪い情報ほど全て公開する
3)情報をすべて公開し、主張すべきところは主張し、謝るべきところは徹底して謝る
4)解明のための調査や議論を全てオープンにする
5)実体的正義で違法・不正を判断するのでなく、手続的正義に基づきトラブルの事象を判断する
6)疑われるものがあったら素直に謝罪、反省する
7)謝罪後、信頼回復のための事後の挽回行為に全力を尽くす
万が一のときのリーダーとしての対応方法として、頭に入れておきたいですね。
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正解が分からないときに、人は決断から逃げる、先送りする生き物です。だからこそ、トップを目指す上司の皆さんは、手続的正義による決断でリーダーとしての信頼とチャンスを掴み取りましょう。
【社長を目指す方程式】は井上和幸さんがトップへとキャリアアップしていくために必要な仕事術を伝授する連載コラムです。更新は原則隔週月曜日。アーカイブはこちら