ローカリゼーションマップ

バイアスを自覚できるか? ミラノの王宮で開催、1500~1600年代の女性画家展から受けた影響

安西洋之
安西洋之

 美術の展覧会で作品を眺め、解説を読みながら考えるべきことは多い。いうならば、「ああだ、こうだと」と頭のなかのさまざまな回路を使うこと自体が楽しい。

 普段、使わない回路のありかに気づき、しかしそれがまだ自分には使える状態になっていないと知り、それをどう使いこなせるようにするか思案をはじめるのにワクワクするのだ。ちょうどよく知らない外国の地に降り立ち、普段ならまったくつまらないことに神経が昂ったりする、あれだ。

 そういう観点からすれば、どんな展覧会であっても面白い。つまらない展覧会など一つもない…と豪語したくなるくらいだ。しかし、「これは理論的には正しいが…」という但し書きが必要だ。

 「なぜ、この展覧会がつまらないか?」とのテーマも知的好奇心を誘うが、あまりに凝り過ぎると、単に「つまらない」と告白するのが嫌なためだけに屁理屈を言いかねない。あまりスマートではない。

 だから、つまらないと思ったら、会場から足早に離れればいいだけの話だ。

 それにしても、ミラノの王宮で開催されている展覧会は、まだはっきりと言葉に表現できないが、少なくともこのコラムのネタにはなるほどに、ぼくは影響をうけた(笑)。隣でやっていた展覧会も近々見に行こう。

安西洋之(あんざい・ひろゆき)
安西洋之(あんざい・ひろゆき) モバイルクルーズ株式会社代表取締役
De-Tales ltdデイレクター
ミラノと東京を拠点にビジネスプランナーとして活動。異文化理解とデザインを連携させたローカリゼーションマップ主宰。特に、2017年より「意味のイノベーション」のエヴァンゲリスト的活動を行い、ローカリゼーションと「意味のイノベーション」の結合を図っている。書籍に『「メイド・イン・イタリー」はなぜ強いのか?:世界を魅了する<意味>の戦略的デザイン』『イタリアで福島は』『世界の中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』。共著に『デザインの次に来るもの』『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?世界で売れる商品の異文化対応力』。監修にロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』。
Twitter:@anzaih
note:https://note.mu/anzaih
Instagram:@anzaih
ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解すると共に、コンテクストの構築にも貢献するアプローチ。

ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。

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