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得体の知れない疲れの正体とは 効率的な解消法を伝授 (2/3ページ)

枝川義邦
枝川義邦

 脳は厳密にはマルチタスクができないのですが、素早くタスクを切り替えることによって、マルチタスクをした気分を味わうことはできます。このタスクの切り替えを頻繁にすると、ひとつのことをし続けるよりも、脳の疲労が大きくなり、ストレスを溜めてしまうと考えられています。

 ましてや、リアルに会っていれば感じられる雰囲気のような情報も、画面を通してでは感じられにくくなっているので、言葉には表れていないけど、このひと、実はどう考えているのだろう、などと思いをめぐらせるためにも余計に脳を使うことになってしまうでしょう。

 このようなことを続けると、脳が過労状態になってしまいます。脳過労の状態では、単純ミスが多くなったり、ちょっとしたことが覚えられなくなったりします。なにかの作業をしていても、「あれ、なにをしようとしていたんだっけ?」となったときには要注意です。一時的に記憶して、それを使って次の作業をするという脳の機能が低下しているのです。

 また、怒りっぽくなる方もいます。脳の中では、怒りの種に火がついても、大きくしないような仕組みがありますが、そのブレーキが効きにくくなってしまうので、ちょっとしたことで怒鳴ってしまったり、いつまでも怒りの対象への考えが消えずにイライラし続ける、なんてことにもなり易くなるのです。

 脳過労に気づいたら、まずはパソコンやスマホから離れて、少し休みましょう。特に、脳を休ませることが肝心です。もしかして、パソコンを使い続けて、休憩中はスマホのゲームをしてみたり、ネットのニュースをチェックしたりしていませんか。このようなことは気分転換にはなりますが、真の意味での休憩にはなりません。脳は働き続けることになって、むしろ疲れがどんどん溜まっていってしまうでしょう。

 ではどうすればよいか。休憩中は、できる限り“ぼーっとする”のが良いのです。いまはデジタル機器を1日中手放してデジタル・デトックスをするわけにはいかない方も多いと思いますので、極力“ぼーっと”するか、もし状況が許せば、軽く15分程度の昼寝を取るのも、脳をリフレッシュさせて作業効率や集中力を回復させるには格好の手段です。

 昼寝は長く取り過ぎると、起きても脳が眠ったようになっていることや夜の睡眠の質を低下させてしまうので休憩としては逆効果です。眠り足りないかも知れませんが、15分程度で起きてしまうのが効果的です。昼寝の前にコーヒーなどでカフェインを摂ると、眠りすぎを防いだり、昼寝により回復する脳機能が持続する効果も期待できるのでお得感もあるでしょう。

 また、このような脳の疲れは、睡眠不足によっても生じやすくなります。在宅勤務になり、「睡眠時間が以前よりも長く取れるようになった」と喜ぶ声は聞こえて来ますが、見通しが立たない状況で、なんとなく不安に感じていることがあったりすると、睡眠の質が低下していることもあり得ます。質の高い睡眠が取れないと、時間をかけても充分眠ったことにはならないので、心当たりがある方は、睡眠についても見直してみるとよいでしょう。

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