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金融とITで社会課題解決に貢献 フィンテックがSDGs投資を後押し (2/2ページ)

白石卓也
白石卓也

 “イミ投資”で成長

 投資も消費と同様、「モノ」から「こと」へと移動しており、今後はESG(環境・社会・ガバナンス)や持続可能な開発目標(SDGs)などを対象にした「イミ投資」が活発になると思われます。自分が投資したお金がどんな社会課題の解決につながるのか、それが環境問題にとってよいのかなどを気にする世代が増えてくるからです。

 これからは「イミ」消費や「イミ」投資のニーズをくみ取って、個人や企業から流れたお金にテクノロジーを掛け合わせるフィンテック系ベンチャーが成長すると予測しています。

 おつりを分散投資

 今回はフィンテックの代表的な企業や保険領域など、幅広いスタートアップが登壇します。

 ボトルト(東京都渋谷区)は「マイボトルをもっと使おう、もっとスマートに」をテーマに、ペットボトル削減行動をソーシャルファイナンスに変える事前決済プラットフォームを展開しています。ユーザーはアプリで飲料を購入できる店舗を探し、スマートフォン上で決済。決済画面を店舗で提示するだけで、すぐにマイボトルに飲料を入れてもらえる仕組みです。

 「すべての人を投資家に」をビジョンに掲げ、おつりでコツコツ長期にわたって分散投資を行える、おつり投資アプリ「トラノコ」を展開しているのがTORANOTEC(同港区)です。5円から1円刻みで投資でき、貯まったポイントやマイルでの投資も可能。また、サービス内で提示されるアンケートへの回答や動画の視聴などによって獲得できるポイントも、現金と同様投資に利用可能です。

 AB Cash Technologies(同渋谷区)は「お金に関する不安に終止符を打つ」をミッションに、平成初期に生まれたミレニアル世代を主なターゲットとしたお金のトレーニングスタジオを展開。プロのパーソナルコンサルタントが、マンツーマンで資産管理を支援する3カ月間のトレーニングを実施することで、「お金の不安」をなくし、豊かな人生を送ることができるきっかけを提供していきます。

 融資を受けたい個人と行いたい金融機関をマッチングさせるサービスを提供しているのはクラウドローン(同千代田区)です。ユーザーは年代や配偶者の有無、年収といった質問に回答。個人情報を開示せず、迅速に希望に応じたローンの提案を受けられます。信用情報の毀損リスクも低減可能で、2020年1月という直近のリリースにかかわらず9銀行が参画しています。

 IB(同渋谷区)は「請求もれのない世界へ」を目標に掲げ、保険証券を撮影するだけで加入保険を簡単管理でき、請求漏れを防ぐアプリ「保険簿」を展開しています。事前にアプリに登録しておくことで、情報が管理され、加入保険の中から請求できそうな保険をレコメンド。推計で年間1.6兆円に達するとみられる請求漏れを防ぎます。

 withコロナで改めて脚光

 2008年の金融危機では既存の金融機関やシステムの欠陥を露呈しましたが、それが契機となって世界中にフィンテックブームが起きました。今回もCOVID-19がきっかけとなり、フィンテックベンチャーの活躍の場がさらに広がると思われます。

大阪市立大学商学部卒。2010年に池田銀行(現池田泉州銀行)に入社し、主に中小・ベンチャー企業向けの法人融資営業を担当。2016年アクセンチュア株式会社金融サービス本部に入社し、金融機関の営業店向けDX支援プロジェクト等、幅広い金融機関向けコンサルティング業務に従事。2019年7月デロイトトーマツベンチャーサポートに入社後は、大企業とベンチャー企業のオープンイノベーション支援等を担当

【Fromモーニングピッチ】では、ベンチャー企業の支援を中心に事業を展開するデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)が開催するベンチャー企業のピッチイベント「Morning Pitch(モーニングピッチ)」が取り上げる注目のテーマから、日本のイノベーションに資する情報をお届けします。アーカイブはこちら

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