SaaS~変革のプレイヤー群像

オンラインイベントの強い味方 “人と人”をつなげるイベントプラットフォーム (3/3ページ)

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部

 人と人の「ハブ」になりたい

――日本のイベントマーケティングの現状や、今後の展望についてお聞かせください

山本代表:

 オンラインイベントの全世界の市場規模は、2020年で10兆円程度といわれていますが、2027年には40兆円に達するとみられています。年平均23%の成長率です。日本国内の数字としては詳細に算出されていませんが、2020年でだいたい7000億円程度とみられています。世界と比較した単純計算で、日本国内でも2027年には2兆8000億円になるのではないかといわれています。

 他のサービスとの連携では、顧客管理のCRM(カスターマー・リレーションシップ・マネジメント)が大きいと思っています。世界的にも有名なCRMツールである「セールスフォース」と連携できるよう開発しているところです。将来的には、採用イベントにおいてはATS(採用管理システム)と連携させ、求職者の管理といったことも視野に入れています。

 海外展開も年内に開始する予定で、すでに市場調査を進めています。まずはアジアへの展開を考えています。アジアの人は訪問営業を重視する傾向にありましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、ウェブ商談が主流になりつつあります。

――海外企業との橋渡し。まさに社名の通り、「ハブ」の役割を担っていくということかと思いますが、日本のSaaSの現状をどのように見ていますか

山本代表:

 日本のSaaSは海外でも十分通用すると思っています。それだけ今、日本のSaaS市場は盛り上がっています。クラウドに対する理解、SaaSに対する理解もマーケットに広まっています。起業した2016年と比べても、SaaS企業に積極的に投資するベンチャーキャピタルや、SaaSスタートアップに転職し挑戦したいという人材も増えているように感じます。

 マッキンゼーサンフランシスコで一緒に仕事していた元同僚たちが現地でVCへ転職し、今、日本市場への投資に興味を持っているのです。それだけ、数年前と比べて海外投資家の日本市場への注目が増していると感じます。日本のクラウド、SaaS市場が大きくなるにつれ、海外の投資家による日本のSaaSへの投資も増えてくるのではないかと思っています。

 ご質問にもあった「EventHub」という社名、プラットフォームの由来ですが、イベントは人と人との接点。人と人のハブになるという意味を込めてそう名付けました。人と人とのつながりを作って世界を近くする。国や業界の垣根を越え、いかにつなげるか。それを私たちのミッションにしています。

SankeiBiz編集部
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