社長を目指す方程式

チームを成功へ導く魔法の数字たち 「7」「30~50」「150」 (4/4ページ)

井上和幸
井上和幸

 こうした組織発展上の段階もあってか、不思議なことに、この30人、50人という人数を超えるところに見えない壁があり、それまで急成長してきたベンチャー企業がなぜか30人の手前、50人の手前でそこからなかなか人数が増えないということがよく起こります。ポイントは先に述べた通り、仕組み化・ルール化ができているか否かです。私の体験的にも、50人を超えると、一方ではコミュニケーション不全などの問題も起きやすくなるのですが、経営的、組織的にはナレッジ(知識)の蓄積がそれまでとは段違いに進みやすくなります。

 この壁を突破すれば、次は一気に「150人」まで駆け上がるのみです。

 「ダンバー数」の「150人」は、人がチームとしてまとまれる最大値

 チームの人数というテーマでは、この人をご紹介しない訳にはいきません。それはロビン・ダンバー氏です。

 イギリスの人類学者、進化生物学者のロビン・ダンバーは、世界各国古今東西の民族グループを研究する中で、同じ規模の集団が繰り返し登場することに気がつきました。これを「親密さの集まり」と呼び、次のように分類しています。

・3~5人…最も親密な友人関係を築ける人数

・12~15人…誰かが亡くなった時に深く嘆き悲しむ友人や家族の人数

・50人…オーストラリアの先住民族アボリジニやアフリカ南部の狩猟民族サン人が移動する時の平均的な規模に相当

・150人…「ダンバー数」

 ダンバーは、チームサイズには上限があり、それは147.8人であるとしています。これは人間の脳が性格や行動を記憶・蓄積できる他者の上限人数です。端数を切り上げた「150人」を、彼の名前にちなんで「ダンバー数」と呼んでいます。

 ダンバーの発見した「親密さの集まり」の段階で示す人数を民俗学の集団分類と重ねると、次のようになります。

・5~9人=「社会集団(クリーク)」…最も親しい友人やパートナーの数

・12~15人=「シンパシー・グループ」…ほぼどのような状況下でも心から信頼できる人の数

・30~50人=「一団(バンド)」…危険な国を安全に往来できる小さな団体

・150人=「フレンドシップ・グループ」…共同体の中で一緒に暮らすのに最適な人数

・500人=「部族・種族(トライブ)」…出会うと会釈する程度の顔見知りの人数

・1500人=「共同体(コミュニティ)」…人間の長期記憶の情報数の限界、頭の中で名前と顔が一致する人数

 私たちは、まず近しく一枚岩で働ける7±2人でチームを編成し、それが数チーム組み合わさって30~50人の会社/事業部となる。事業成長し150人になるところまでは、お互いがどのような人か、どのようなスキルや能力をもちパフォーマンスを出しているかを把握できる。それを超えると、1500人までは、同じ会社であることは認識できるが同じ組織に所属していない限り、人となりの詳細は分からない……。このような原理原則があるのです。

 どうでしょう? あなたの会社や部署は、この「数字の魔法」に合致して課や部、事業部が編成されていらっしゃるでしょうか?

 数千名企業でも数万名規模の企業であっても、組織はこの「7」「30~50」「150」で組み立てられるのがベスト。社長を目指すあなたは、この数字の魔法を自チームに折り込み、最適チーム編成で最強リーダーを目指しましょう!

井上和幸(いのうえ・かずゆき)
井上和幸(いのうえ・かずゆき) 株式会社経営者JP代表取締役社長・CEO
1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。
経営者JPが運営する会員制プラットフォームKEIEISHA TERRACEのサイトはこちら

【社長を目指す方程式】は井上和幸さんがトップへとキャリアアップしていくために必要な仕事術を伝授する連載コラムです。更新は原則隔週月曜日。

▼“社長を目指す方程式”さらに詳しい答えはこちらから

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus