働き方

仕組み複雑…外国人材拡大、運用は手探り状態 (2/3ページ)

 素形材産業を所管する経済産業省の担当者は「特定技能資格の対象となる業務を決める際には、すでに受け入れが進んでいる実習生に認められる業務を参考にした。熱処理加工は実習生の業務に含まれておらず、業界団体としてもまずは実習生の業務に追加するような手続きを踏むという話だったため、こういう結果になった」と説明した。

 「熱処理業者」が特定技能資格で外国人労働者を受け入れた場合、主力以外の溶接や塗装などの業務を任せるしかないのが現状だ。森嶋勲社長はこう嘆く。

 「同業者と話し合うまで熱処理加工の分野でも外国人労働者を受け入れられると思い込んでいた。制度は不親切。今でも中身を誤解している同業者はいると思う」

 省庁も「準備不足」

 同じような混乱は他の企業でも起きている。

 「会社の事業が対象になるのか分からない」

 金属切削加工メーカー「三共製作所」(大阪府東大阪市)の松本輝雅社長は戸惑いを隠さない。

 新制度では、外国人労働者の在留資格を技能実習から「特定技能1号」へと移行した場合、最長10年間にわたって日本で働いてもらうことができる。

 同社はグループ内で雇っている実習生のうち、約10人の資格の移行を検討。ただ、主な事業内容は機械部品の製造で、特定技能の受け入れ対象となる「産業機械製造業」に当てはまるかはグレーゾーンだという。

 「外国人労働者にはできるだけ長く働いてほしい。線引きができない以上、国に移行を申請してみるしかないですね」

 制度の運用を担う省庁でも手探りの状態が続く。

 「現時点で分かる範囲でお答えします」

 新制度導入が約2週間後に迫った3月15日、経産省の担当者は、大阪市内で開いた製造業者と業界団体向けの説明会で参加者の質問にこう繰り返した。

 政府は同日になってようやく企業などが満たすべき基準を定めた政省令を公布。法務省のホームページで関連する申請書がダウンロードできるようになったのは3月19日のことだ。

 経産省の関係者は「明らかに準備が足りない。官も民も走りながら受け入れを進めていくしかない」と漏らした。

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