キャリア

総理元秘書が語る、断れない話の断り方 ダメ元の相談でも回答は3日後に (2/4ページ)

 僕が書くと、「こういうふうに書くともっとよくなるぞ」という言い方をされる。学生にも、とりあえずやらせてみる。それも対等な人間として接してくれる。2週間だけと決めていた僕は、最後の日に小渕さんに言われたんです。

 「瀧川君、このあと君といつ会えるかわからないけど、1つだけ教えておくな。年長者や初対面の人と会うときは、上着のボタンは留めておくんだよ」

 そのとき初めて、小渕さんがずっと上着のボタンを留めていたことに気づいた。しばらくして「また手伝ってくれないかな?」と言われた僕は、草鞋を脱ぐ決断をしたんです。

 ただ、小渕さんのことは尊敬しても、図抜けて優秀な人だと思ったことはなかった(苦笑)。小渕さんの選挙区は旧・群馬3区。福田赳夫さんと中曽根康弘さん(ともに元総理)が「上州戦争」を繰り広げた激戦区。だから、常に周りを見て、「おれはどうしたらいいかな?」などと考えないと、政治家として生き残れなかった。あるときは「結婚式のお祝い、いくら包んだらいいかな? 龍ちゃんはいくら包むか聞いてくれ」と小渕さんに言われ、当選同期の橋本龍太郎さん(元総理、故人)の秘書に、恥を忍んで聞きに行きました。

 立川談志氏から受けた頼まれ事

 小渕さんはよく言えば、気配りに優れた人です。年次を重ねると後輩議員が「こんな話がありますよ」とご注進に来るんですね。橋本さんならそんなときは、頭の回転が速く、よく勉強されているので、その場で「それは認識が間違っている」などとピシャリと言う。けれど、小渕さんは全部話を聞いたうえで、「ありがとう。またなんかあったら聞かせてくれよ」と返す。僕が傍らで「そんな話、オヤジはとうに知っているぞ」と思っていても、終始その調子。その姿勢には非常に影響を受けました。

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