高論卓説

スマホ決済前提、旅行者置いてけぼり デジタル先進国・中国の弱点 (1/3ページ)

 「多産多死」とは中国で次々と誕生するニュービジネスを表現するのに使われる言葉だが、まさに言い得て妙といえる。全てが成功するわけではなく、その多くが失敗に終わることも意味するが、そんなことはお構いなく次から次へと新しいビジネスや仕組みがトライされる。ただ変化があまりに激しいので、知らぬ間に生まれて知らぬ間に消えているものも多い。(森山博之)

 中国の四大発明と称される「シェア自転車」もその一つであろう。Mobike(モバイク)が上海でサービスを開始したのが2016年4月で、3年ほどの間にピーク時には70社余りが参入しあっという間に淘汰(とうた)されてしまった。日本の報道だけみていると、中国のシェア自転車のビジネスモデルは、大手のofo(オフォ)が破綻、日本からも撤退したことから、シェア自転車ビジネスそのものが「終焉(しゅうえん)」を迎えたかのような印象を受ける。特にシェア自転車が廃棄同然の状態で山積にされている写真などを目にすると、既に過去のビジネスになったという印象を持ってしまう。

 ただ、実際に北京に行ってみると、MobikeとBluegogo(ブルーゴーゴー)が、シェア自転車のサービスを行っており、市民の足として定着している。従来は利用するのに保証金が必要だったが、現在は不要になっており、スマートフォン決済を利用できれば誰でも簡単に利用できる。歩くにはちょっとおっくうだが、タクシーに乗るほどの距離でもないというときに、うってつけのサービスである。競合相手がどんどん参入し、まさに「多産多死」の結果、北京ではこの2社が残った。

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