転職・起業

彼女が起業を通して、日本人に伝えたいもの (3/3ページ)

 東京と京都に直営店を開き、そこに80を超えるアイテムが集う。例えば津軽塗りの“こぼしにくいコップ”は段差をつけ、手の小さな子どもが両手で持ったとき、指で支えやすく落としにくい形にしてある。

 「なんでこの値段なの? というご質問に対して、なぜこのデザインか、なぜ伝統の技を活かしたのか、その意味を私たちはお伝えしています」

 ジャーナリスト、“伝える職人”としての使命感が根底にあるのだ。現在、商品の原材料の原木や漆の生産に挑む“aerusatoyama”事業の構想がある。一企業が1つの山を育むビジネスモデルを確立できれば、日本の森林問題の解決につながると矢島さんは意気込む。2018年はその土台づくりをし、以後は本格的に事業着手したいという。

 「伝統文化を継承し定着させるには長い時間がかかります。ただひたすら伝え続けるだけです」

 【座右の銘】

 「三方よし」。

 買い手を第一に、売り手、世間の3つに利益があることを考えた、近江商人の考え。

 【ハマっていること】

 社交ダンス。映画『美女と野獣』のダンスシーンが大好きで、大人になったらワルツを踊りたいと熱望。

 【好きな本】

 『陰翳礼讃』谷崎潤一郎著/創元社ほか

 【プライベートの野望】

 想像のアトリエを生み、自身の考える豊かな暮らし。

 (梅原 光彦 撮影=佐伯慎亮)(PRESIDENT Online)

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