働き方

副業・兼業普及にハードル 労働時間合算など、現行制度の変更難しく (2/3ページ)

 厚生労働省は18年1月に労使の取り決めのひな型となる「モデル就業規則」を改定し、原則禁止だった副業・兼業を容認。だが、実際に認めている企業はまだ少ないのが現状だ。労働政策研究・研修機構が同年実施した調査では「許可する予定はない」と答えた企業が75.8%に上った。

 原因として指摘されるのが、複数の職場で働く人の労働時間を本業の雇用主が合算しなければならない現行制度だ。いつ、どれだけ働いているかが不明な副業の労働時間の把握は企業にとって負担だ。さらに、今年4月から始まった残業時間の上限規制に抵触するかどうかの判断も難しくなる。

 経団連も現状では慎重な立場だ。企業が長時間労働の是正や、労働時間の削減といった働き方改革を進めているにもかかわらず副業・兼業を認めれば、長時間労働を助長し、体調不良やパフォーマンスの低下につながりかねないためだ。

 働き方改革の一環で副業・兼業の普及を促進する厚労省は、労働時間の管理方法について議論する有識者会議を18年に立ち上げ、検討を進めている。だが、現行制度を変えるのは容易ではない。

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