民間企業で産業医経験がある産業医科大の廣尚典(ひろ・ひさのり)教授は「新しい環境への適応がうまくいかないという点では『5月病』も『6月病』も同じ。新卒社員の場合、最初は緊張感などで踏ん張り、時期がずれることはあり得る」と指摘する。
公立の養護学校に勤める教員の女性(35)は「新人のころは仕事内容にも人間関係にも慣れず、大変だった。上司に自分の意見を言うこともできずに溜め込んでしまった。友達に電話したり、遊んだりするなど憂さ晴らしして乗り切った」と振り返る。
同じ時期に、上司の態度が豹変し、苦しんだ人もいる。新卒で京都市の機械メーカーに就職した女性(26)は当時、5月の連休明けに、上司からパワーハラスメントを受けるようになった。通常業務の前に掃除を命じられ、何をしても嫌みを言われた。
新人教育でマンツーマンの指導で逃げ場はなかった。神奈川県出身で身近に友人がおらず、同期の中でその部署に配属されたのも1人。精神的に不安定になり、人間関係に悩んだまま、1年半後に退職した。
女性は「業務自体はやりがいがあった。周りの人は慰めてくれたが、誰も上司に直接注意してくれなかった」と打ち明ける。
ゾフのアンケートでは、過去3年間で入社後3カ月以内に新入社員が辞めた企業は51.3%に達した。