拡大するユーチューバー市場
日本で代表的なユーチューバーである「HIKAKIN(ヒカキン)」氏の年収は数億円に及ぶとされる。4つのYouTube(ユーチューブ)チャンネルの登録者数は計1460万人以上。実験やゲーム実況など自作動画の広告収入のほか、テレビやCMにも出演、動画内で商品を紹介してもらおうと企業スポンサーもついている。
ユーチューバー人口は増加傾向だ。令和4年の国内ユーチューバー市場は579億円規模に達すると予想されている。ユーチューバーになるため、脱サラする人もいて、養成学校もある。老舗専門学校の代々木アニメーション学院(東京都千代田区)でも、需要に対応するため、画像制作などを学べるYouTuber科を、来年度から開講する予定だ。2年間で「声優としての技術」「動画編集などのスキル」を学べるといい、広報担当者は「自分の表現方法の幅を広げるために学びたいと考えている方が多い」と話す。
厳しい現実
ただ、ユーチューバー人口が増えれば増えるほど、すでに固定ファンを獲得している古参に比べ、新規参入者が生き残るのは難しくなっている。注目を集めたいばかりに、犯罪行為に走るケースもある。先月は、東京・渋谷のスクランブル交差点にベッドを運び込んで動画撮影し、道交法違反(禁止行為)の疑いでユーチューバーら男女7人が摘発された。なかには「逮捕されても、人気者になれてうれしい」と語る者もおり、あるユーチューバーは「炎上スレスレが一番稼げる」としたり顔で話す。