経済インサイド

地方に都市部の高スキル人材 副業解禁の流れでマッチング (3/3ページ)

 これに先立ち、金融庁も昨年1月、金融機関の監督指針を改定し、銀行が取引先企業に対して行う人材紹介業務を付随業務として認めた。人手不足が深刻になるなかで、取引先の人材に関する課題解決を後押しするのが狙いで、横浜銀行や大垣共立銀行、常陽銀行などが参入している。

 一方、副業を解禁した企業からは、本業への波及効果を期待する声もある。

 28年に副業を解禁したロート製薬。主力製品の目薬は売上高の約3割で、残りの7割はスキンケア商品と食堂などの新規事業で占める。同社のホームページには「健康と美に関する、あらゆるソリューション(課題の解決策)を提供する会社」と紹介されている。副業で従業員に多様な経験を積ませて新たなスキルや知見を身につけ、それを新規事業への“種まき”に生かすことを狙っている。全国各地で食をテーマにした新規事業が次々と立ち上がっており、地方の企業との協業によるビジネスも広がっている。

 今後、リニア新幹線が整備されれば、平日は東京などの都市部、週末は生まれ故郷で、といった働き方も可能になる。副業解禁がきっかけとなり、都市部と地方の人材格差の縮小が進みそうだ。(松村信仁)

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