高論卓説

「8050問題」から見える社会構造の闇 心のつながりを取り戻す社会に (1/2ページ)

 昨今、「8050(はちまるごーまる)問題」が注目されるようになってきた。これは80代の親が50代の子供の生活を支えることからこう呼ばれている。80代の親の主な収入源は年金となる。中高年の引きこもりの数は内閣府の調べによると実に61万人に上るという。専門家に言わせればまだまだ実態をとらえておらず、この人数より多いことは明らかであろう。

 引きこもりの子供が何か事件を起こすのではないかと心配した親が、子供を殺してしまったという事件も記憶に新しい。引きこもりといえば、小さな子供たちが自宅に閉じ籠もると思いがちだが、現代の日本では、40~64歳までの引きこもり当事者の推計人数が約61万人。40歳未満の約54万人を上回っているのである。

 この構造では、年金が尽きたときに80代の親と、50代の引きこもりの子供の命も尽きるということになる。親が亡くなっても誰にも相談できず、そのまま遺体を放置するケースも多発。するとこれは死体遺棄事件となる。8050問題には現代社会の負の縮図がつまっている。

 負の縮図といえば、思い出す人がいる。「保健室にくる生徒たちは、社会の縮図である」という人物である。先日、インタビューさせていただいたのが子供の心の闇に向き合ってきた人物、桑原朱美氏である。授業エスケープ、自転車で廊下を走る、天井を壊して歩く、対教師暴力が続く教育困難校の教員として、25年間勤務された。

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