働き方ラボ

痛いこだわり、気づけば閉店 自分探しの終着駅“脱サラ飲食店”はアリか (1/4ページ)

常見陽平
常見陽平

 美味しくないのになぜか盛り上がる店 それが脱サラ飲食店

 夏休みがやってくる。帰省などで昔の仲間と会うこともあるだろう。GW明けの「5月病」じゃないが、「帰省病」のようなものがある。昔の仲間と会って語らううちに「俺のやりたかったことは、これなんだろうか?」と悩んでしまうのだ。そして、休み明けの会社がいやになってしまう。

 会社をやめて独立した人に妙に刺激を受けてしまうこともあるだろう。よくも悪くも「会社をやめて、好きなことをやろう」と決意する時期でもある。その選択肢の一つが「飲食店を経営しよう」というものである。

 しかし、私は警鐘を乱打したい。「本当に、それでいいのか?」と。覚悟はあるのか、と。自分探しの終着駅、「脱サラ飲食店」について考えてみよう。

 仕事の関係で、会食する機会がよくある。相手は、著者、編集者、講演の依頼主、普通のビジネスパーソンなど様々だ。四半世紀近く飲み続けた酒を昨年末にやめたのだが、飲みの席は嫌いではない。シラフで人間観察するのも楽しいものである。

 私は「どこ」で飲むかよりも、「誰」と飲むかが大事だと考える方だ。とはいえ、場所へのこだわりがないわけではない。たまに、地雷店と遭遇することもある。リスクを回避するために、接待されるわけではないときは、自分で店を選ぶことにしているのだが。

 これだけ会食が多いと、不思議な店に遭遇することがよくある。こんな特徴の店だ。皆さんも一度くらい、行ったことはないだろうか?

  • 特定の企業の現役+OB・OG社員が集まり、まるで社内の会議のように社外秘すれすれの話が飛び交っている店
  • まるでクックパッドで紹介されているレシピのような、こだわりのオリジナル料理が披露される店(でも、あまり美味しくない)
  • あまり美味しくないのに、常連客で繁盛している店
  • やはり、あまり美味しくないのに、店長の故郷の料理などが振る舞われる店
  • やたらと特定企業の社員の写真が飾っている店
  • あまりオシャレではない、店長の痛いこだわりの家具、食器などが並ぶ店
  • 内輪ウケイベントが乱発される店
  • 結局、客が広がらずにいつの間にか潰れてしまう店(でも、常連客以外は潰れたことすら気づかない店)

 このように、店長の過剰な自意識、自己実現欲求、こじらせたこだわりが炸裂しつつも、肝心の味はあまり美味くなく、それでも会社員時代の同僚がやってきてそれなりに賑わう(でも、輪に入りづらい)店はないだろうか? これが脱サラ飲食店なのだ。

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