社会・その他

かんぽ生命の不正は「過剰なノルマ」で片付く問題なのか 過去から考える (3/4ページ)

 問題の根っこに「役所体質」

 神戸製鋼の不正がバレたのは一昨年前だが、あの不正も昨日今日始まったものではない。同社も利益を上げるようにプレッシャーをかけられた現場の技術者が、40年以上前から連綿と続けてきた不正が、ようやく陽の目を浴びた。

 かんぽの不正もこれと同じ構図で、郵便局内での極めてトラディショナルな不正が、現場職員の疲弊によって覆い隠せなくなってきただけなのである。

 さて、このように「かんぽ不正」の実態が見えてくると、この問題の根っこにあるのが「ノルマ」「民営化」ではなく、まったく別のものだということが分かっていただけるだろう。

 では、それは何かというと、「役所体質」である。

 最近の厚労省や財務省を見れば分かるように、苦しい立場に追いやられた公務員は「組織を守る」という大義名分の下、「改ざん」や「不正」に手を染めやすい。この伝統は残念ながら、全国の郵便局にも受け継がれてしまった。なぜかというと、民営化が中途半端だったからだ。多くの識者が指摘するように、日本郵便は民主党政権のときに「再国有化」されてしまった。ここで民間の経営者がイニシアティブをとるはずが、民間の経営者をお飾りにして、裏で役人が権限を振るう「会社風の役所」になってしまった。これこそが、「かんぽ不正」を引き起こした最大の原因である。

 それこそお前の妄想に基づく「ミスリード」だというお叱りが飛んできそうだが、もともと不正体質のある国営企業が、見え方だけ「民営化」してもうまくいかないのは、実は日本人が知らないだけで世界の「常識」となっている。

 それをもっとも分かりやすく体現しているのが「ソ連崩壊」だ。

 ご存じのように、日本の役人がいまだに引きずる「計画経済」の生みの親・ソ連は、体制崩壊するまですさまじい「不正のデパート」となった。政府の経済統計は改ざんのオンパレード、国益企業の経営者も競い合うように利益をかさ上げ、するなど令和日本でもよく見かける「不正」があちこちで行われた。

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