最強のコミュニケーション術

怒りに振り回されずに仕事したい 「ひとりディベート」で思考の幅を広げる (2/4ページ)

藤田尚弓
藤田尚弓

2.感情による判断ミスが減る

 感情は私たち自身に嘘をつき、判断を間違わせることがあります。例えば「できそうにない」という不安感情や「難しそうだ」という怠け感情が、本来チャレンジすべき件に対して「どうせやっても意味がない」といった判断をさせてしまうといった具合です。

 ひとりディベートによって自分の意見とは反対側からも考えるようになると、自分の最初の判断が必ずしも正しくないことに気づくことができます。ディベート思考には判断ミスを防ぐ効果もあるのです。

仕事力もUP ディベート3つのメリット

 ディベートには、自分のネガティブ感情に動じなくなる訓練になるだけでなく、ビジネスパーソンにとってメリットが盛りだくさん。ディベートの主なメリット3つを見ておきましょう。

・メリット1 情報収集力が上がる

 ディベートでは、テーマに関する主張を考えたり反対意見に備えたりするための情報収集が必須です。限られた時間で情報収集を行う能力が鍛えられるので、忙しい業務の中で調べものをするときのスピードと質が上がります。

・メリット2 主張が通りやすくなる

 論理的に考えて主張できるようになるのはもちろん、相手からの反論にも準備することが習慣になるので、主張が通りやすくなります。

・メリット3 物事を多角的に見られるようになる

 自分と反対の立場からも主張を組み立てることは、物事を違う角度から考える訓練になります。理論武装をすることができるようになるだけでなく、相手の立場にたって考え、理解する手助けになるでしょう。

 その他にも様々なメリットのあるディベートですが、やはり「ルールがわかりにくい」「人を集める必要がある」「時間がかかる」といった声があるのも事実です。しかし、「ひとりディベート」なら簡単なルールを用い短時間で行うことができです。

簡単ルールで行う「ひとりディベート」のやり方

 自分が賛成だと思った案があったとしたら、まずは賛成視点で主張を組み立てます。次に相手からどんな質問と反論がくるかを予想して準備をします。ここまでは、普段のビジネスシーンでもやっていることだと思います。

 ひとりディベートではこの後、自分が反対する側になって主張を組み立てます。そして賛成側からどんな質問と反論がきて、それにどう対応するかも準備します。立場を入れ替えて主張と反論に対する準備をするのが、シンプルなルールを用い短時間で行うひとりディベートです。

ひとりディベートの流れ

1. 自分の主張を組み立てる

2. 相手からの質問や反論を予測して準備する

3.相手側に立って主張を組み立てる

4.「3」への質問や反論の準備をする

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