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日本の果物は高い!? 訪日客の不満が異文化理解に達しない訳 (2/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 日本の人がイタリアに旅行に来てもまったく同じである。

 日本とは違う世界に浸る経験を優先するので、イタリアのスローな生活を理想郷のように見て、「これが、あるべき生活ですね!」と目を輝かせる。だが、日本に戻ると、「ああいう生活はできないね、どうやって仕事すればいいのだ?」との疑問が最後に残ったままになる。せっかくお金を使っているのだから、そういう旅行記にならないために、ポジティブなところですべてを「一時停止」にしておきたいとの思いにもかられる。

 どうも観光旅行にはコツがあるようだ。

 ビジネスの出張は次のステップがないと意味がないが、観光旅行とは次のステップを想定しない旅行である。

 つまり、良き思い出がたくさんあり、苦い思い出があまりないのが大切で、あるいはネガティブな点は「自分の生活には関係ない」から見ないことにするのが観光旅行である。ビジネスのための出張が、ネガティブな部分を分析し、自分のビジネス全体での位置をおさえていこうとするのと反対である。

 もちろん、その土地の生活を全く見ないということではない。スーパーの棚を眺めて、その国の物価や食生活を知るのを楽しむ人は多い。しかし、適当なところで「退散」するのがコツである。

 いや、退散せざるを得ない。その先は、その土地の言葉を喋り、他人の家庭に入り込み、家族の悩みまで聞かないと見えてこないのだから。

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