ローカリゼーションマップ

「我々はビジネスが下手」 イタリア人の決まり文句の裏にある自信とは (3/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 要は頭のなかがビジネス至上主義になっていないのである。

 そういえば、昨年、都内でイタリアのスタートアップ各社のプレゼンをみたが、ここまでに書いたような交錯した彼らのメンタリティを背景に聞くと、とても納得いくことが多かった。

 今年も、在日イタリア大使館の主催で、10月9日に「イタリアン・イノベーション・デイ」と銘打って、スタートアップが15社登壇するらしい。場所は都内赤坂のJTEROだ。

 日本や米国あるいはイスラエルなど、今まで聞き慣れてきたスタートアップの構想と何が違うかを知るには良い機会ではないかと思う。確かに、イタリアの起業家も米国的な訓練を受けた人が少なくなく、似たようなセリフを盛んに吐いたりする。でも、底には前述したメンタリティが潜んでいる。

 だから「イタリア人って、マネジメントが上手くないみたいだから」という否定的な目で見るのではなく、「自分の好奇心で走れるところまで走りきる」ための智恵がどこにあるかを見極めるのが適切である。

 自分の色眼鏡を外してみると、異なった世界観が見えてくるものだ。なかなか楽しい。

安西洋之(あんざい・ひろゆき)
安西洋之(あんざい・ひろゆき) モバイルクルーズ株式会社代表取締役
De-Tales ltdデイレクター
ミラノと東京を拠点にビジネスプランナーとして活動。異文化理解とデザインを連携させたローカリゼーションマップ主宰。特に、2017年より「意味のイノベーション」のエヴァンゲリスト的活動を行い、ローカリゼーションと「意味のイノベーション」の結合を図っている。書籍に『イタリアで福島は』『世界の中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』。共著に『デザインの次に来るもの』『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?世界で売れる商品の異文化対応力』。監修にロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』。
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ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解すると共に、コンテクストの構築にも貢献するアプローチ。

ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。

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