社会・その他

食材は軽減税率なのに…給食費アップ、自治体の対応に広がる波紋 (2/3ページ)

 市教委によると、最大の理由は昨年8月の学校給食摂取基準の改正で、給食でとるべき栄養量が増え、食材費がかさむようになったため。担当者は「消費税率の引き上げで、輸送費なども上がる。このため増税は値上げの遠因にはなっているが、それだけではない」と説明している。

 小規模自治体では無償化の動きも

 文部科学省の調査によると、公立小学校の給食費は年々上昇傾向にある。平均給食費は平成20年度の月額4019円から、30年度は4343円に上がった。中学校も同じ傾向で、保護者の負担が増え続けている。

 一方で、給食費の無償化に取り組む自治体も。兵庫県相生市は23年度から年間約1億1千万円の予算を投じ、中学までの学校給食費無料化事業を行ってきた。それまでは人口が減少傾向だったが、2年後に増加に転じた。担当者は「月数千円でも、幼稚園から中学校まで12年間でみると、保護者にとっては非常に大きい負担。増税によって諸経費は上がるが、工夫しながら給食の質を守る」と話し、今後も継続する方針だ。

 ただ、給食費の助成に取り組む自治体はそう多くはない。文科省が30年に公表した調査によると、全国1740自治体のうち、一部無償化は424自治体。完全無償化は82自治体(小学校のみ、中学校のみの自治体も含む)で、うち56自治体は人口1万人未満の小規模自治体だった。

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