話の肖像画

僕自身は「小売業の経営者」と呼ばれたい ファストリ・柳井正氏(12) (2/3ページ)

 〈日教組教育を批判して、若い人は希望を持つべきだとも主張してきた。財団で若い人を支援する活動も続けている〉

 最近の若い人は、二極化ですね。「柳井正財団」では次世代のリーダーとなる若者の海外留学を奨学金などで支援する活動をしています。ある高校の方が言っていましたが、「日本人は、高校生までは世界最高の素質を持っている」と。でも、「大学に入って1年過ぎると世界最低になる」と。奨学金の応募に来る若者たちは素晴らしく、「おぉ、日本にもこういうすばらしい高校生がいたんだ」と思う。でも、一般の高校生とか大学生を見ていると「これで日本は大丈夫か」とも思います。海外に対する無関心さは、不思議を通り越して異様です。

 〈住みやすい世界に変えていくという「資本主義の精神」の重要性を説く〉

 ホンダの本田宗一郎、ソニーの盛田昭夫たちは、「資本主義の精神」の何たるかを理解していた。正統な起業家が何人もいたから、日本は高度経済成長という偉業を成し遂げることができました。

 日本の起業家の多くは、技術信仰が根強く職人かたぎです。顧客ニーズを満たさなければ、市場では受け入れてもらえない。生産者の自己満足になってしまいます。

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