話の肖像画

もっと文化の教育を、中国とのつきあい ファストリ・柳井正氏(14) (2/2ページ)

 近代に入って中国は西欧に侵略されて、植民地化されていった。彼らにとっては屈辱の歴史だと思うんです。日本とも悲しい歴史がある。中国が言っていることは、「今の中国を評価してくれ、中国を大国として扱ってくれ」ということだけだと思います。だから、私たちもそういう声に耳を傾けたら良いのではないかと思います。

 〈ユニクロは、中国でも人気の米アーティスト、KAWS(カウズ)氏とコラボしたTシャツを発売。6月に中国で販売したところ、ユニクロが入る各地のショッピングセンターでは開店前から客が殺到し、客同士が商品を奪い合って殴り合ったり、展示用のマネキンからもTシャツをはぎ取ったり、何十着も1人で抱えた転売目的の客の様子などが、SNSで拡散して問題視された〉

 ああいうことをやるから、「大国」じゃなくなる。中国文明も良いけれど、もっと文化の教育をやらないと。マナーというところをもっと尊重しないといけない。

 昨年8月にスウェーデンのストックホルムに出店した北欧1号店では、開店当初に1千人ものお客さまに並んでいただいたが、お互いに譲り合って会話しつつ、お買い物を楽しまれる余裕のある態度が印象的でした。世界の先進国の成熟した文化に触れました。(聞き手 吉村英輝)((15)は来週月曜日、10月7日に掲載します)

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