今日から使えるロジカルシンキング

相手を動かすプレゼン 聞き手は「聞きたいこと」しか聞いていない (1/2ページ)

苅野進
苅野進

第13回 伝わるプレゼン〈基本〉

 私は先日、経営する学習塾の会議で事務責任者から次の様な報告を受けました。

  • 事務責任者「夏休みの低学年向けの講座の中で、積み木を使った図形講座が非常に人気でした。申し込み開始からすぐに満席・キャンセル待ちになってしまいました。授業後のアンケートでも満足度も高かったです」

 その翌週、冬休みの講座に関する概要の説明を受けました。そこで、夏休みに人気だったという低学年向けの図形講座に関して言及がなかったので私は発言しました。

  • 「夏に人気だった図形講座は冬には開催しないのですか?」
  • 事務責任者「いや、お伝えしたかったのは、受講できなかった生徒の保護者からの不満が大きかったので、次回開講の際は優先的に案内したほうがいいかな、ということです」
  • 講師A「すぐに満席になるってことだったので、来年の夏は複数回実施するって話だったのでは?」

 多くの方は、「相手に同じ情報を共有すれば必然的に自分と同じ結論に至る」と思い込んでいます。しかし、この会議の例で「夏休みの講座が人気ですぐに満席になってしまった」という情報から三者三様の結論を引き出していたように、そんなことはありません。

 事務担当者が「伝わるだろう」と考えていた「今回受講できなかった人には、次回に優先的な対応をすべき」という意図は伝わらなかったのです。

受け手が「動く」プレゼン

 プレゼン・報告において、【意図】と【情報】を分けて考える必要があります(本連載第2回でもお伝えしました)。今回の事務担当者の例では、【意図】は「今回受講できなかった人には、次回に優先的な対応をすべき」であり、そう考える根拠としての【情報】が「申し込み開始からすぐに満席・キャンセル待ちになった」なのです。

 そして、この会議において重要なのは、事務担当者の【意図】に関して検討することです。

 しかし、多くの方は【意図】を考え、表現することを怠りがちです。プレゼンの目的というものは、発表者が「こうしてほしい」と考える【意図】が伝わり、受け手が「動く」ことです。ですので、プレゼンでは「いったい何をしてほしいのか?」を考えて、具体的に伝えることが大事なのです。

 今回の事務担当者の例では、

  • 「夏休みの低学年向けの講座の中で、積み木を使った図形講座が非常に人気でした。授業後のアンケートでも満足度も高かったです。しかし申し込み開始からすぐに満席・キャンセル待ちになってしまいました。受講できなかった保護者には不満が大きいようです」

 という【情報】を根拠として、

  • 「つきましては、次回開講時には、今回受講できなかった方への優先案内をすべきだと思うのですが許可をいただけますか?」

 という【意図】を明確に表現するべきだったのです。

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