【意図】を出すことを怖がってはいけない
【情報】は否定されることのない事実なので、収集さえすれば成果としてプレゼンしやすいものです。しかし、それらを元に導き出した【意図】は個人によって違うものなので「否定されたら嫌だな」「相手が違う意図を持っていたら面倒だな」という思いが働いて、表現することを避けてしまいがちです。しかし、【情報】を現場で集めてきた当事者だからこそ、まずはそこからの【意図】を考えて、表現すべきなのです。
若手だからといって売り上げの数字だけを常に報告し続けていても、そこから正確な示唆を出せるようにはなりません。たとえ上司に否定されるとしても「売り上げの数字を分析した結果、こんな施策が役立つのではないか?」という【意図】を表現し続けることで、上司からのフィードバックを得られ、精度が高まっていくのです。そして、「大きなリスクはないから、こいつの意図を採用して任せてみようかな」という機会を得られるようになります。
表現するのを避けているのではなく、そもそも考えていないということもあります。
- ・状況を理解してほしい
で終わらせずに
- ・許可してほしい
- ・予算が○円ほしい
- ・~という点で協力してほしい
- ・案に対して改善ポイントを教えてほしい
という行動を依頼する表現まで考えましょう。常に「相手が何をすれば物事が良い方向へ進むのか」まで踏み込んでプレゼンを設計するのです。
聞き手は「聞きたいと思っていること」しか聞かない
そもそもわたしたちはプレゼンの内容を聞き流しているものです。聞きたいなと思っているものしか集中していません。
- 「私は英会話が得意です。これまでも海外の顧客との折衝にも携わってきました。常に国内だけでなく海外のマーケットの情報も集めています。大学の時に留学もしてきました」
- 「それで?」
【意図】というものは、話者が思ってるほどには伝わりません。そして、【意図】がわからない状態では、いくらその根拠となる情報を詳しく並べても耳に入ってきません。なぜなら、なぜその情報が必要なのかを理解していないからです。つまり「聞きたい」という思いに至っていないからです。
「私を次の海外プロジェクトのメンバーに加えてほしいのです」 このような【意図】を明確に表現したらどうでしょうか? 聞き手である上司は「なぜ加えるべきか? 加える利点はあるか?」と考えます。つまり「理由」「利点」を知りたくなるのです。ここで初めて根拠となる【情報】が頭に入ってくるのです。
「一体、何を、何のために話しているのか?」を理解してもらうことがプレゼンのスタート地点であると意識して構成を組み立ててみてください。
【今日から使えるロジカルシンキング】は子供向けにロジカルシンキングのスキルを身につける講座やワークショップを開講する学習塾「ロジム」の塾長・苅野進さんがビジネスパーソンのみなさんにロジカルシンキングの基本を伝える連載です。アーカイブはこちら