ブランドウォッチング

ティファニーブルーにルイヴィトンもラブコール LVMH傘下でも輝く「色」 (2/3ページ)

秋月涼佑
秋月涼佑

 場所のパワーを生かし価値を高める

 ブランディング的には、象徴的な場所への出店が高級ブランドならではのアイデンティティを表明する手段になっていることが注目されます。ティファニーと言えばニューヨーク。バブル期には破綻した日本の不動産会社・第一不動産(エフ・アール・イー)がニューヨークの本店ビルを買収したこともありました。また日本では百貨店全盛期の象徴でもあり日本の三越とのパートナーシップは長く、三越の一番良い場所には必ずティファニーという時代が思い出されます。またハワイへの出店を上手にブランドアップに活用する手法も先駆けだったと思います。多くの日本人が良いイメージしか持たないハワイでティファニーに触れてもらい買ってもらう。素晴らしいアプローチではなかったでしょうか。 

 現在のフラッグシップ銀座本店のビルは売れっ子隈研吾氏の事務所設計で孫正義氏の保有です。振り返ると、時代時代を象徴するロケーションブランディングとでも言いましょうか。場所の持つパワーを生かし逆にティファニーが立地することでその場所の価値が高まる。絶妙な特別な立地との共生関係が感じられます。

 稀有だが最強 色のブランディング

 そしてもうひとつ、ブランディング視点で特筆すべき点が色を使ったブランディングです。

 ティファニーブルー。この青に薄いグリーンを感じさせるなんとも微妙な色合い。なんと1837年にはすでに使われていたということで、ブランドのヘリテイジ(歴史的遺産)が命の高級ブランドにとってこの歴史こそが無形でありながら、いや無形であるからこその最大の価値の源泉であることは間違いありません。なんでも、この色はコマドリの卵の色に由来するそうで、これもまたユニークです。

 我々広告業界の人間からすると、印刷で色味が出なさそうだなぁ、というのが第一印象ではありますが、まさにそのお手軽に表現、管理できる色味ではないこと自体がラグジュアリーさの表現ということだろうと思います。 

 実は、この「ティファニーブルー」は色として商標登録を認められたことで有名です。色を使ったブランディングが成立してしまえば、これほどシンプルにして最強の手法はないでしょうが、成功例はどうでしょう。エルメスのオレンジ色?赤ヘルの愛称でも親しまれている広島カープの赤色?シンプルな手法にも関わらずそれほど多くの成功事例は思い浮かびません。

 まず色味がユニークでなければいけませんし、それが独自の色と認知されないといけません。でも実際には似たような色は世の中に氾濫しているわけで、その中でブランド=特定色という関係を作ることは簡単なようで簡単ではないことに気が付きます。

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