働き方

譲れない時こそ「お詫び」をメールにすべき理由 ケンカしていい場面なのか考えてみる (1/2ページ)

 メールで相手を怒らせてしまった時、どうすればいいのだろうか。ビジネスコミュニケーションに詳しい中川路亜紀氏は「まずは相手の言い分に従うという姿勢を示すことで、こちらの意見を聞いてもらいやすくなる場合が少なくありません。」という――。

 ※本稿は、中川路亜紀『あなたのメールは、なぜ相手を怒らせるのか?』(光文社新書)の一部を再編集したものです。

 返信する前に、まず相手のメールを読み返す

 大事な相手からのメールに、不快感が受け取れる言葉が書かれていたり、心外な指摘があったりすると、あわてて釈明したり反論したりしそうになりますが、拙速(せっそく)な対応は禁物です。

 まずすべきことは、返信を書くことではなく、相手のメールを読み返すことです。メールソフトの検索機能を活用すると、一連のやりとりを抽出できます。

 明確な指摘があった場合は、どんなやりとりの中で、自分がどのように書いたのか確かめてください。たとえ相手の指摘に対して「そんなこと言った覚えはないよ」と思っても、自分を過信しないこと。無意識のうちに表現がまぎらわしくなっていたかもしれません。

 はっきり書かれてはいないけれど不愉快にさせてしまったようだというときも、やりとりを遡(さかのぼ)ってみることで、相手が違和感を覚えた原因を見つけられることがあります。

 特に、知らないうちに相手のプライドや立場を傷つけていないか、相手が書いてきたことを無視して自分の言いたいことだけを書いていなかったかなどに注意します。

 時間に追われてメールを斜め読みしてしまい、相手の意向や気持ちを見落としてしまうことはよくあります。何かネガティブな反応があったときは、相手の立場になってメールを読み返すことが、よい返信を書くための第一歩になります。

 「自分が至らなかった」というスタンスをとる

 相手の不快感の理由がわかって、それを払拭(ふっしょく)してもらいたいと思う場合は、「自分が至らなかった」という反省を明確にしたほうがよいでしょう。

 何が不十分だったかを書いたほうが明確になりますが、書きすぎると相手の不快感を増幅することにもなりかねないので注意が必要です。

 例を挙げて考えてみましょう。

 あなたが専門家とのやりとりの中で、その専門領域の最新情報にふれたところ、細かい点についてチクリと訂正されたとします。返信でどう書けばよいでしょう。

 

◎ よくわからずに不正確なことを書いてしまい、たいへん失礼を致しました。

× この分野では第一人者の先生に向かって生意気なことを書いて不愉快にさせてしまい、申し訳ありませんでした。

 ×マークの文例は、「先生のプライドを傷つけて不愉快にさせた」と言っているも同然です。真実かもしれませんが失礼です。先生にしてみれば、専門的な指摘をしたつもりが、自分のプライドの問題にされて、ますます不愉快になるでしょう。

 その点、◎マークの文例は、さらりとさわやかに自分の失礼を詫びていて、好感が持てます。

 相手に対して「神経質すぎる」とか「大人気ない」という感想を持っていても、それは表に出さず、自分の側が不十分だったという書き方をするのが、メール技術的には正解になります。

 話を前に進めるために、細かいことには目をつぶるということです。少しストレスがたまりますが、愚痴はどこか別のところで言いましょう。

 ケンカしていい場面なのかを考えてみる

 明らかに相手がケンカ腰のときは、どうしたらよいのでしょう。

 ここまでのやりとりで自分の落ち度はない、自分の考えは正しく相手が間違っていると思っても、ケンカしてよいかどうかは別です。自分のほうが正しいからと正論を押し通していくと、まとまるものもまとまらなくなります。それでも雌雄を決するというのであれば、もはやメールの書き方や技術の問題ではありません。

 会社として相手の主張を受け入れることはできないという場合には、組織として対応します。その場合には、上司や専門家などと一緒に対応を検討することになります。

 もしも、相手とよい関係を継続したいのであれば、望ましい着地点を見つけて、その方向で努力する必要があります。

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