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「店はステージ」ビームス社長に聞く アパレル逆境の時代にも輝き続ける秘密 (1/3ページ)

秋月涼佑
秋月涼佑

 ユニクロなどSPA(製造小売業)業態の一部勝ち組を除いて、アパレル業界全体の苦境がささやかれて久しくなります。オンワードやワールド、三陽商会など名門アパレル企業の店舗閉鎖やリストラのニュースはもはや珍しくもありません。EC(電子商取引)台頭の一方で百貨店業態の衰退など流通環境の変化が大きな背景ではありますが、カジュアル志向、つまり快適で安価なファッションを好む生活者の意識変化も大きく影響しているに違いありません。 

 そんな移り気なアパレル業界で、1976年原宿に6.5坪のお店、翌年は渋谷「ファイヤー通り」に2号店をオープンして、今やグループで社員2000人以上、国内外約160の店舗を展開するBEAMSは「セレクトショップ」を日本人の生活に根付かせただけでなく、長きにわたり熱心なファンに支持されてきた存在です。

 今回まさに大再開発中の渋谷駅西口エリアにオープンしたランドマーク商業施設「東急プラザ渋谷」のアイコンショップとして「BEAMS JAPAN」をオープンさせた設楽洋BEAMS社長にお話を聞かせていただきました。 

 日本の未来を象徴する街「渋谷」で新たな実験

 --今回渋谷の新しいランドマークに出店される「思い」や「こだわり」を聞かせてください

 「BEAMSは一号店、二号店と渋谷区で産声をあげました。それ以来43年、まだまだ渋谷も原宿もこれほどファッションの街としてにぎわう前から活動の場としてきた思い入れがあります。近年ではIT企業の進出も活発ですし、学生さんから社会人、あらゆる人種が行き交う街になっています。また渋谷区自身がLGBTQも含めて色々な人たちを受けいれる姿勢をもっている点も大きいですね。そして渋谷は最先端都市の部分と明治神宮や東郷神社など歴史的文化の街の要素もあわせ凝縮させた日本の未来を示すような街だと考えていますので、そこでまた新たな実験をしていきたいと考えました」

 「また、渋谷区とBEAMSはパートナーシップ協定を結んでいます。渋谷区をファッショナブルな街にするには、区役所自身もファッショナブルでなければいけないと、BEAMSが職員への装い提案やアドバイスをしたり密接な関係を築けていて、手ごたえを感じています」

 新しい時代の店のあり方を提案

 --ECの隆盛や百貨店の大量閉店などファッション流通が激変する中での新店舗の位置づけ、リアル店舗に込める意味を教えてください

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