ビジネスパーソン大航海時代

愚直なエンジェルは「日本を代表するスタートアップを作りたい」~航海(19) (1/3ページ)

小原聖誉
小原聖誉

 みなさんは“エンジェル投資家”と聞くとどのような印象を持ちますか?「もともと起業家だった人がなるもの」「セミリタイアした人が片手間でやるもの」「あまり自分とは関係がないもの」のように思いませんか?もしかするとその考えは根底から揺さぶられるかもしれませんよ。今日はサラリーマンからエンジェル投資家になった三木寛文さん(44歳・MKマネジメント株式会社 代表取締役社長)についてお話させてください。

 三木さんは大学卒業後に大手旅行会社に入社、2年半を経てITコンサルタントとなったのちにモバイルコンテンツ全盛時代にサイバードへ転職し新規事業立ち上げを経験、その後SNS黎明期のグリーに入社。そこで上場を経験された後にいまはエンジェル投資家としてスタートアップに出資・支援をされています。

 経緯を伺ううちに、目線を上げられる環境に身を置いて愚直に行動し続ければやがて大きな山を登っているという感覚を得ました。みなさまの気づきになりますと幸いです。

 それではインタビューをご覧ください。

 自信がなかった幼少期から脱却した原体験

 三木さんはどのような生い立ちなのか。まずそれから紐解いてまいります。

 どのような子供時代を過ごされていたのですか?

 「父親はネックレスを作る貴金属工芸の職人をやっていました。時代が高度成長期だったので、よくネックレスが売れる時代だった事もあり、習い事や塾など、比較的教育にはお金をかけてもらえていたし、のびのびとした子供時代をすごせました。ただ…」

 お、何か?

 「小学校のころは本当に自信がない子でした。運動が全然できなくて、学力もなくて。走れば最下位集団だし、一番最初に塾で受けたテストの偏差値は40台でした(笑)」

 なかなかの大物と言えますね(笑)。転機は何でしたか?

 「実は僕の人生の大逆転のきっかけは、中1の持久走大会なんです。大勢の女子生徒が応援する前でビリで入ったら本当にオレの人生は終わるなと思い、大会前に当時仲が良い友達に学校に1時間早く来てもらって、“頼むから一緒に走って”と言って1カ月毎日朝練で走ったら、だんだん長くついていけるようになり、大会ではなんと学年で上位入賞しちゃって。そこで、どんなことでもやれば出来るんだっていう自信ができて、次第に勉強もできるようになっていきました(笑)」

 人生を這い上がって行ったわけですね!原体験。

 「当時はそこまで考えていないのですが、私は下から這い上がっていく人生のようです」

 その後どのようなことがあったのでしょうか?

 「高校は埼玉県の中で成績上位校だったのですが、なんと浪人をしてしまいました…。悔しかったです。せっかく得た果実を手放して、また這い上がらなきゃ!となりました」

 苦節浪人時代はどう過ごされましたか?

 「僕以外仲良かった友達はみんな、現役で大学に行っていたので、皆の大学での充実した楽しい話を聞いて、こっちは大学に行く資格がない自分にイライラしていました(笑)。それが私のやる気に火をつけたのです。“大学行ったら俺はコレをやる”と言うアイデアをノートに書き始めて、思ったらノートに書く習慣がつきました。結局大学は早稲田に入学し、最初はサークル15個、アルバイトは100種類以上。東南アジアや南米などにバックパッカーで放浪にもいきました」

 華の大学生活にどっぷりとハマったわけですね。特に今に影響を与えたことは何になりますか?

 「アイセックというサークルに入ったことです。真面目系の企画サークルなのですが、孫正義さんや、南部靖之さん、澤田秀雄さんが“ベンチャー三銃士”として目立っていた時期に、その当時のそうそうたる起業家の方々の話を聞ける企画を4年間やっていました。起業家精神に触れることができましたし、なにより当時の大学生の中でも意識が高い人たちと出会えたことが大きいです。出世したOBでは、ユーグレナの出雲充さん(2012年マザーズ上場・2020年現在東証1部)とか、メルカリの山田進太郎さん(2018年マザーズ上場)、五体不満足の乙武洋匡君とかも一時期いました。また、社会人の初期は、スペースマーケット重松大輔くん(2019年マザーズ上場)、クラウドワークス吉田浩一郎くん(2014年マザーズ上場)、弁護士ドットコム元榮太一郎くん(2014年マザーズ上場)、エンジェル投資家の高野秀敏くん(実は最初にネットベンチャーへつないでくれた人)などとも交流の機会がありました」

 黎明期のスタートアップに転職

 お金では買えない環境ですね。そのあと新卒はどちらに入社されたのですか?

 「国内の大手旅行会社に入社しました。でも2年くらいで辞めました。すごくいい会社ではありました。でも市場環境を見ると職場旅行がなくなっていて業績が回復する見込みは乏しく、営業マンの多くが目標金額を達成できていませんでした。明るい未来が描きづらかったので退職しました」

 そうなのですね。転職する時にはどのように考えたのですか?

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