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ローソン 衝撃的すぎる新PBブランディングは本当に魅力的か (1/3ページ)

秋月涼佑
秋月涼佑

 ネットが騒然としています。ローソンの新PB(プライベートブランド)ブランディング戦略で600品目以上のプライベートブランド商品がジワジワと新パッケージに切り替わっているのです。ベージュやグレーを基調にした色合いに繊細な文字で統一された新パッケージ、一品一品の主張は従来よりかなり抑えられているものの、棚に並ぶと一面が同じ印象で埋め尽くされる分、かなり存在感があります

 ローソンの2兆2961億円の売上(国内2019年度)と、1万4444店(2020年2月末現在)の影響力を考えれば、もはや大事件というわけで、「かわいい」「オシャレ」という肯定的な意見と、「見にくい」「単調」という否定的意見で賛否が飛び交う事態となっています。

 「ついにここまできたか」

 日頃、飛行機のような大きなものからカップ麺のような小さなものまで、それぞれの商品やサービスに込められたブランディング戦略を解説論考する当連載としても、いかにPBとは言え一気に600品目を超えるリニューアルとなれば度肝を抜かれました。 

 でも日本におけるメーカーと流通企業の力関係の歴史を振り返れば今回のリニューアルは大胆ではあるけれど、ある意味順目でもあるのです。つまり「ついにここまできたか」とも言えるのです。

 かつて昭和の時代であれば商品開発のイニシアチブは明らかにメーカー側が握っていました。近所のお店と言えば、おしなべて小さな個人経営のお店やせいぜい地場のチェーン店で、資本も開発力も巨大なのはメーカー側。そんな時代はメーカーが推している商品を中心に棚が構成され、コカ・コーラにかっぱえびせん、雪印のネオソフトに花王のメリットと、「大定番」商品が営々と売られていました。

 潮目が変わったのは1974(昭和49)年に東京豊洲にセブンイレブン1号店が歴史的オープンをして以降のコンビニエンスストアの隆盛です。近所の便利として生活者の支持を受けながら、年々すさまじい進化を遂げてきたコンビニエンスストアは今や企業規模でもメーカーをしのぎ、商品開発の主導権を握るようになりました。コンビニバイヤーの力は絶大で、採用されることで地方の小さなメーカーでも飛躍的に売上を伸ばせる反面、かつて市場の王者であったナショナルブランドでさえ棚落ちの恐怖に直面せざるを得なくなり千本ノックのごとき新商品提案攻勢をかけざるを得なくなったのです。

 生活者に支持されてきたコンビニの売り場

 そういう時代の変遷の中で、大手コンビニがメーカーに要求するのはとにもかくにも自コンビニブランドの差別化に寄与する「オリジナル商品」。つまりそのコンビニでしか売らない専売品です。メーカー側からすれば、かつてのように全国同一商品を一気通貫できれば収益面・効率面でこれに勝ることはありませんが、大手コンビニの一角に採用されなければその時点でシェアを大きく落とすわけですから、こたえざるを得ません。その結果、コンビニ店頭は新フレーバーやタイアップ商品の新商品であふれるようなったというわけです。 

 この状況は正直メーカーにとって辛い部分があるのですが、常に新製品にあふれ提案性豊かなコンビニの売り場は何より生活者に支持されてきました。

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