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ローソン 衝撃的すぎる新PBブランディングは本当に魅力的か (2/3ページ)

秋月涼佑
秋月涼佑

 「ローソン」ブランドにブランド価値を貯める

 ブランディング戦略を考えるとき「ブランドの価値を貯める」という言い方をします。今回のローソンのPB戦略の建付けであればブランドの価値はほとんど「ローソン」に貯まります。つまり今回の取り組みからは、競争激しいコンビニ市場で「ローソン」ブランド自体をより差別化され魅力的なものにしたいという企業としての強い意志を感じると言えます。

 逆に言えば、メーカーは差し替え可能な存在(ティア2)となり、交渉上はさらに不利な立場になる他ないとも言えます。 

 大胆な戦略の勝算はどこに

 さて肝心なのは果たして生活者はこの取り組みを支持するのだろうか? ということです。

 もちろんローソンほどに日々お客の意向を知れる立場の存在はいませんから、ノープランでこれだけの策に出てきたとは思えません。ひとつのヒントは600品目を超えるとはいえ対象商品が比較的ベーシックな商品であるということです。例えば本連載でもローソンが取り組んできた商品企画の好事例として「悪魔のおにぎり」を紹介しましたが、今まで通り、新鮮な提案性ある商品はどんどん導入しつつ、定番の冷凍食品や牛乳などの基本商品はローソンブランドを信じて買ってもらおうという判断であるのだと思われます。

 果たして生活者はこの方向を支持するだろうか

 一方で懸念がないとは思えません。そもそもネットで賛否が沸き上がるのは良いことでしょうか。少なくともネットで指摘されているような視認性の悪さはやはり不親切な印象を感じます。例えば納豆がNATTOと表記されています。確かに英文字表記はカッコよく見えるのですが、おばあちゃん読めるかな?と正直心配になります。コンビニが社会のインフラとまで見なされるポジションにまで至った現状を考えると、もう少しユニバーサルデザインの配慮があっても良いように思います。 

 そしてデザインテイストです。商品パッケージの開発でも多くの実績を誇る佐藤オオキさん率いるnendoのプロデュースですから良いデザインであることは間違いないと思いますが、ちょっと整然とし過ぎてはいないでしょうか。さすが建築のバックグラウンドをもつだけに都市計画のように合理的で機能的ですが、ちょっと無味乾燥には感じてしまいます。例えば東京で言えば都庁のある都市計画の街西新宿はお世辞にも人気があると言えません。

 典型的にはドン・キホーテさんのアプローチですが、生活者は売り場に意外性や発見を求め、怜悧さよりは熱量を求めているように思います。例えば、コンビニ業態が成功した一因に近代的な合理性の真逆をいくような「おでん」や「肉まん」、カップ麺用のポットが寄与したと分析したらどうでしょう。今回ネット上の否定的意見からはお気に入りの雑多だけど魅力的な下町がいきなり近代的な高層ビル街に再開発されてしまうような寂しさを感じている向きもあるのではないでしょうか。

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