ミラノで活躍するデザイナーを中心としたデザイン文化、家具や雑貨のメーカーを率いる経営者のデザインへの理解を中心とした文化、これまでこれらについて語られることが多かった。ぼく自身も、そうだった。
あえてミラノデザインウィークを上記とは別の側面からみるとすれば、イタリアの生活の質を知る機会との理解のされ方が普通だ。
だから、ミラノデザインウィークを「日常生活において、生活する1人1人がさまざまに自分で選択肢をつくれ、それを自分で選べる自由がある」社会を醸成する実験の機会と考えると、自分自身の考察の不足や流布している情報が充分ではないことに気づくことになる。
よって新たな知識を得るために、これまであまり縁のなかった人たちにコンタクトしている。主にコンセプトを考えることを生業とするか、得意とする人たちだ。まったく遠いところにいたわけではなく、近いところにいたのだが、縁がなかったのだ。共通の友人はたくさんいるが、直接は知らなかった人たちである。
あの丘の先には、こんな風景があったのかと実感している。そうか、「丘の向こうに行くには越え方がある」と上手く勘が働くような雰囲気、これもデザイン文化の1つかもしれない。
【ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。