働き方ラボ

こんな時こそUIターンを考える 予測不能な人生に備えて“エア移住”を (1/2ページ)

常見陽平
常見陽平

 人生を考える好機

 お盆である。夏休み期間の人も多いことだろう。なんせ、今年の夏休みは新型コロナウイルスショックで騒がしい。感染拡大防止の観点から、お盆の帰省をどうするかが問題となった。今年は帰省を控えた人も多いようで、メディアでは新幹線のホームや空港が閑散としている様子が伝えられた。

 帰省した人も、帰省しなかった人もこの時期はこれからの人生を考えるために、立ち止まって考えるよい機会だ。ずばり、こんなことを考えてみよう。「実家に戻るとしたら、それはいつか?」「移住するとしたら、いつ、どこに移るか?」である。

 人生、何が起こるか分からない

 「いや、実家に帰るなんて、ありえない!」「地元が東京だし」「マンションを買ったばかりだし」など、そもそもUターンや移住などありえないという人もいることだろう。しかし、立ち止まって考えてほしい。人生、何が起こるか分からない。特にUターンは、家族の健康や、事業承継、遺産相続などにより、突然、起こり得るのである。新型コロナウイルスショックで移住に注目が集まっている。こんな時期だからこそ、選択肢としてのUターン、移住を検討しておこう。

 私はここ数年、転職を考えていなくても、今の自分の勤務先や仕事を見直すためにも、将来の選択肢を増やすためにも、「エア転職」を推奨してきた。具体的には、人材紹介会社や転職サイトに登録し、カウンセリングを受けたり、どのようなオファーを受けるものか確認してみるというものである。「転職する気がないのに、登録なんて」と思うかもしれないが、これらの人材サービスは転職潜在層へのアプローチが課題となっており、むしろ歓迎されるかもしれないのである。

 同様に私は、「エア移住」を提唱したい。今すぐ本気で考えていなくても、将来に備えて移住を検討する行為である。自治体にとっては、いかに移住者を増やすかが課題となっているからだ。

 「でも、今は移住にしろ、旅行にしろ、都市から人が来ることを快く思わないのでは?」という不安もあることだろう。このあたりも冷静になってほしい。確かに「自粛自警団」「自粛ポリス」の存在が話題となる。ただ、この手の話はネガティブな話が大きく取り上げられる傾向があるということを冷静になって認識しておきたい。さらに、移住にはそれなりに準備が必要なのである。仕事探し、物件探し、引っ越しの準備などを考えると、納得のいく、さらに無理のない移住のためには、検討し始めてから1年はかかる。今、新型コロナウイルスショックで移住ブームだと伝えられているが、これはもともと検討していた層への決定打となったのではないかと私は見ている。今すぐ移住して、地元の人から叩かれるという図自体が実はレアなのではないか。

 移住を考えたときに、検討するべきことは、一にも二にもその地域のことを知ることだ。仮に地元にUターンするにしても、よく調べるべきである。よく帰省していたとしてもである。生活者視点と、ビジネスパーソン視点では大きく異なるからだ。特に地元の経済の実態や、優良企業、成長企業のことなどは意外に知らないものである。

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